いまさら聞けない「SAN」と「NAS」 アーキテクチャで読み解く、その違いとはファイル、ブロック、オブジェクト(1/3 ページ)

なじみ深いSANとNASだがその違いを明確に理解できているだろうか。本稿では扱うデータの種類やアーキテクチャの観点から違いを読み解いてみる。新たに台頭するさまざまなストレージたちについても紹介するので参考にしてほしい。

2018年12月14日 05時00分 公開

関連キーワード

SAN | NAS | Fibre Channel | SSD | ファブリック | InfiniBand | RAID | SMB


画像 ストレージのアーキテクチャを考える

 SAN(ストレージエリアネットワーク)とは、一般的にスイッチを経由させて接続するストレージを指す。複数の異なるサーバからアクセスできるストレージで、データにブロック単位でアクセスできる。

 NAS(ネットワーク接続ストレージ)はリモートでファイルを扱えるストレージだ。ファイルシステム上でソフトウェアを使うのではなく、ファイルアクセスの入出力情報を別のデバイスに転送する方式となる。転送にはSMBやNFSなどのファイルに関わるプロトコルを使用する。転送先のデバイスは独自のファイルシステムを備えたサーバとして動作し、ファイル共有を実現する。

 SANとNASのどちらにするか保存するデータの種類に依存する。ブロックアクセスならSAN、ファイルアクセスならNASといった具合だ。ただNASにファイルアクセスしても、ブロックアクセス型のストレージデバイスに接続されていれば、最終的にはブロックアクセスに変換される。SANとNASを比較する場合はその点にも注意が必要だ。

 SANは、例えばRDB(リレーショナルデータベース)内に存在するデータなどの「構造化データ」に適している。NASは「非構造化データ」に使用する。非構造化データはファイルや電子メール、画像、動画、通信などリレーショナルデータベースでは扱われないタイプのデータを表す。

 ベンダーはストレージニーズに対応するため、ブロックやファイルといった単位からオブジェクトへと移行している。だが、それでもユーザーは使い慣れた方法でデータにアクセスしたいと考えている。つまり、ブロックストレージにはSANを、ファイルストレージにはNASを利用したいということだ。ベンダーはフロントエンドではNASやSANの操作性を提供しながら、バックエンドではオブジェクトストレージをベースにするという動きになっている。

ファイル、ブロック、オブジェクトの違い

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       1|2|3 次のページへ

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...

news040.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。