なじみ深いSANとNASだがその違いを明確に理解できているだろうか。本稿では扱うデータの種類やアーキテクチャの観点から違いを読み解いてみる。新たに台頭するさまざまなストレージたちについても紹介するので参考にしてほしい。
SAN(ストレージエリアネットワーク)とは、一般的にスイッチを経由させて接続するストレージを指す。複数の異なるサーバからアクセスできるストレージで、データにブロック単位でアクセスできる。
NAS(ネットワーク接続ストレージ)はリモートでファイルを扱えるストレージだ。ファイルシステム上でソフトウェアを使うのではなく、ファイルアクセスの入出力情報を別のデバイスに転送する方式となる。転送にはSMBやNFSなどのファイルに関わるプロトコルを使用する。転送先のデバイスは独自のファイルシステムを備えたサーバとして動作し、ファイル共有を実現する。
SANとNASのどちらにするか保存するデータの種類に依存する。ブロックアクセスならSAN、ファイルアクセスならNASといった具合だ。ただNASにファイルアクセスしても、ブロックアクセス型のストレージデバイスに接続されていれば、最終的にはブロックアクセスに変換される。SANとNASを比較する場合はその点にも注意が必要だ。
SANは、例えばRDB(リレーショナルデータベース)内に存在するデータなどの「構造化データ」に適している。NASは「非構造化データ」に使用する。非構造化データはファイルや電子メール、画像、動画、通信などリレーショナルデータベースでは扱われないタイプのデータを表す。
ベンダーはストレージニーズに対応するため、ブロックやファイルといった単位からオブジェクトへと移行している。だが、それでもユーザーは使い慣れた方法でデータにアクセスしたいと考えている。つまり、ブロックストレージにはSANを、ファイルストレージにはNASを利用したいということだ。ベンダーはフロントエンドではNASやSANの操作性を提供しながら、バックエンドではオブジェクトストレージをベースにするという動きになっている。
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