次はSSDを採用するという回答が半数
SANやNASの購入計画は落ち込み気味――複数調査の結果
SSDはプライマリーストレージとして最も人気のある技術だ。一方で、容量を増強する場合、ほとんどの企業は今でもSANを中心にストレージを検討しているのが実情だ。
現在の企業はセカンダリーストレージ資産を活用する新しい革新的な方法を見いだしている可能性がある。具体的には、分析、データ保護、DevOpsの改善によって事業利益を向上させている。だが、大半の企業にとってプライマリーストレージこそが生命線になることに変わりはない。また、ユニファイドアレイやハイパーコンバージドインフラなど、新しいプライマリーストレージのテクノロジーは2017年までの数年間で市場シェアを拡大している。だが、大部分のデータセンターは実績のある頼れるSANアレイとNASアレイを原動力にしているのが実情だ。
事実、これらは数字の上では全く接近していない。複数の調査によると、本稿執筆時点では、3分の2を上回る企業がプライマリーストレージとしてSANアレイを導入しており、それに続いて3分の1近くの企業がNASアレイを採用している(表1)。ハイパーコンバージドアレイ、コンバージドアレイ、ユニファイドアレイは、SANアレイとNASアレイに数字上では大差をつけられている。プライマリーストレージとして導入されている割合はいずれもわずか10%しかない。
わずかではあるものの、これらの比率は変化している。今後12カ月間におけるプライマリーストレージの購入計画について質問したところ、SANの購入意向を示した回答者は過半数を割っていた。既にSANを導入している回答者の割合と比べると20%近い落ち込みだ。また、NASアレイを購入する予定があると答えた回答者の割合も19%と少なく、現在NASを導入している回答者の割合からすると、やはり20%ほどの落ち込みが見られる。ユニファイドアレイも8%と若干沈んでいる。それから、コンバージドインフラストレージの購入を計画していると答えた回答者の割合は横ばいだ。正反対に、ハイパーコンバージドアレイは全体的な傾向に逆行して数ポイント伸ばし、14%という結果になっている。
| 68% | SANアレイ |
|---|---|
| 37% | NASアレイ |
| 11% | ユニファイドアレイ |
| 11% | コンバージドアレイ |
| 10% | ハイパーコンバージドアレイ |
さらに事実を述べるなら、回答者の約3分の1は今後1年間にプライマリーデータストレージを追加購入する予定はないと答えている。
IDCの「Worldwide Quarterly Enterprise Storage Systems Tracker」(世界エンタープライズストレージシステム四半期調査)の最新データによれば、2016年第3四半期にストレージ業界は3四半期連続で前年比減を記録し、その収益は3.2%減の88億ドルとなった。外部ストレージシステム(SANおよびNAS)が最も大きな割合を占めている状況に変わりはないが、外部ストレージシステムは市場全体よりも早いペースで売り上げの減少が続いており、前年比で6.1%減となっている。一方、オールフラッシュアレイとハイブリッドアレイは引き続き市場をけん引しており、それぞれ76.4%および3.5%の増加が見られる。また、従来のHDDアレイは売り上げの悪化が続き、前年比で3分の1低下している。
企業がプライマリーストレージを追加することで達成しようとするITのメリットについては、圧倒的な差でストレージ容量の増加が最も重要という結果になった(表2)。これは当然であろう。興味深いのは、27%の企業が既に1PB以上のプライマリーストレージを実装済みで、33%の企業が100~999TBのプライマリーストレージを導入済みであることだ(表3)。このことから、現在の企業がビジネスの支えとなるデータを非常に短期間で生み出し続けていることがよく分かる。
| 77% | ストレージ容量の増加 |
|---|---|
| 24% | IOPSと全体的なパフォーマンスの向上 |
| 18% | ストレージ占有面積の集約 |
| 18% | 特定のアプリやデータのパフォーマンス向上 |
| 14% | データ管理の改善 |
| 14% | ストレージ稼働率の向上 |
| 9% | 仮想化を進めるためのストレージの再設計 |
| 7% | 特殊なSANスキルへの依存度の低下 |
一方で、回答者の約4分の1が、容量を増やすことによって自社のプライマリーストレージシステムのIOPSと全体的なパフォーマンスを改善することを望んでいる。それに続き、ストレージ占有面積の集約を望む回答者と特定のアプリやデータのパフォーマンス改善を期待する回答者がそれぞれ2割近く存在する。これらに次ぐ求められるメリットとしては、データ管理の改善、ストレージ稼働率の向上、データセンターの仮想化の度合いに合わせたスケーリングを実現するためのストレージインフラの再設計、特殊なSAN管理スキルへの依存度の低下がランクインしている。
| 8% | 10PB以上 |
|---|---|
| 19% | 1~9PB |
| 4% | 750~999TB |
| 6% | 500~749TB |
| 5% | 300~499TB |
| 7% | 200~299TB |
| 11% | 100~199TB |
| 11% | 50~99TB |
| 17% | 10~49TB |
| 12% | 10TB未満 |
TechTargetの調査では、このような数値が明らかになった。求められている技術としてはSSDが第1位に付け、回答者の46%が今後のプライマリーストレージ購入計画にSSDを含めることを目指している(表4)。大差は付いたものの重複排除や圧縮といったデータ削減テクノロジーが2位となっている。ストレージ仮想化、クラウドストレージ統合、データアーカイブが続いている。これらが上位5位を占める結果となった。
| 46% | SSD |
|---|---|
| 33% | データ削減(重複排除/圧縮) |
| 29% | ストレージ仮想化 |
| 27% | クラウドストレージ統合 |
| 24% | データアーカイブ |
| 21% | シンプロビジョニング |
| 20% | スナップショット/レプリケーション |
| 17% | 自動ストレージ階層化 |
| 16% | 高速イーサネット |
| 15% | 高速ファイバーチャネル |
| 12% | 高度キャッシュ |
| 11% | ストレージリソース管理 |
最後の動機については、時間の経過と共に重要性を増していくことが予想される。これはもっと大きなトレンドの一部だ。ITのアジリティを改善しながら設備投資コストの削減を目指すIT部門では、ハイブリッドクラウド、SaaS(Software as a Service)、パブリッククラウドを採用することで、ITのサイロを徐々に取り除くことがトレンドになっている。Gartnerのレポート「Adapting to the Cloud: Work and Career Strategies for IT Infrastructure Professionals」(クラウドへの順応:ITインフラ担当者の業務戦略とキャリア戦略、2016年6月発行)ではそう報告されている。
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