Googleは2022年、Androidデバイスの「連携性」を強める。この分野でAppleに後れを取っているGoogleがユーザーを取り込むために、何をするのか。
2022年にGoogleはモバイルOS「Android」搭載デバイスを、ノート型デバイス「Chromebook」や「Windows」搭載PC、Bluetoothデバイスと連携させやすくするための機能を投入する。2022年1月、家電やデジタル製品の展示会「CES 2022」の開催に合わせて明らかにした。デバイス連携にはAppleが「Mac」「iPhone」といった自社製品で先駆けて取り組んでおり、Googleはそれに追随する形だ。
Googleは同社が開発したペアリング技術「Google Fast Pair Service」(GFPS)を進化させ、あらゆるデバイスへの接続が自動的に切り替わる機能を開発している。これにより、ユーザーは例えば
といったことが可能になると同社は説明する。この機能の投入は2022年前半だという。
合わせてGoogleは、スマートホーム向け通信規格「Matter」に準拠したデバイスをBluetoothデバイスと接続しやすくする計画も発表した。Matterは無線通信規格標準化団体「Connectivity Standards Alliance」が策定している、スマートホームデバイスの相互接続のためのプロトコルだ。同団体にはGoogleの他、Amazon.comやAppleが参加している。
2022年中、Googleはユーザーが新しく購入したChromebookをAndroidデバイスから素早くセットアップできる機能も投入する。ユーザーはAndroidデバイスに保存した無線通信接続のパスワードといったデータを、Chromebookで利用できるようになる。Androidデバイスのチャットは専用アプリケーションをインストールすることなく、Chromebookでも閲覧可能になるという。
GoogleはAcer、HP、Intelと手を組み、2022年中にAndroidデバイスをWindows搭載PCに接続することも可能にする。これによりAndroidデバイスとWindows搭載PCの間でテキストメッセージを同期したり、ファイルを共有したりできるようになる。
ユーザーからは「なぜ直接Microsoftと協業しないのか」といった声がある。調査会社Forrester Researchのアナリスト、アンドルー・ヒューイット氏は「Googleにとって(Microsoftほど競合しない)PCベンダーの方が交渉しやすい相手になる」とみる。
調査会社J.Gold Associatesの創業者でプリンシパルアナリストのジャック・ゴールド氏によれば、GoogleはAppleと比べてデバイス連携が遅れているため、とにかく迅速な動きが問われている。Googleが2022年に投入する新しい機能について、ゴールド氏は「Androidユーザーを維持するには有効だ」と言う。ただしiPhoneなどのAppleデバイスにすでに同様の機能が標準搭載されていることから、Appleユーザーを獲得するのはハードルが高いとゴールド氏は指摘する。
他にもGoogleは、同社開発のストリーミングデバイス「Chromecast」をBoseの音響機器と連携可能にして、音声コンテンツをBose製品で楽しめるようにする計画だ。Androidデバイスで撮影した写真や動画をChromebookで鑑賞できるようにする機能も投入するという。GoogleはAndroid搭載のスマートウォッチでChromebookやAndroidデバイスのロックを解除したり、Androidデバイスをデジタルの鍵として自転車を解錠したりといった連携にも取り組んでいる。
コンサルティング会社Enderle Groupでアナリストを務めるロブ・エンダール氏によると、Googleの戦略の成否を決めるのは、デバイス連携の取り組みの継続性だ。過去のGoogleのこうした取り組みには「最初は積極的だが、長続きしない」(エンダール氏)という問題が見られた。今回、どこまで「精力」を維持するかが焦点になりそうだ。
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