VMに最適なCPUの選び方【第3回】
仮想マシン(VM)を遅くする「CPU」の“駄目”な使い方と対処法
CPUを適切に利用しないと、仮想マシン(VM)の処理速度が低下する場合がある。VMの快適な動作を実現するための、CPU活用のポイントを説明する。
仮想マシン(VM)を快適に運用するには、VMを稼働させるサーバの「CPU」(中央処理装置)を適切に利用することが大切だ。本稿は、VM運用時のCPUに関する注意点を整理する。
1.「ハイパースレッディング」を意味もなく使う
併せて読みたいお薦め記事
CPUの選び方
連載:VMに最適なCPUの選び方
「ハイパースレッディング」は、CPU内の1つのコアで、複数のプロセス(プログラム)を並列で実行可能にし、CPUリソースの無駄遣いをなくす機能だ。ただし必ずしもCPUの処理速度を向上させるとは限らない。
ハイパースレッディングの問題点は、1つのコアが処理するプロセスは、同じキャッシュメモリを共有することにある。そのためプロセス間でキャッシュメモリの競合が発生し、データ処理のボトルネックになる可能性がある。
CPUを選定するときは、ユーザー企業はハイパースレッディングを利用できるかどうかではなく、コア数が十分かどうかを重視するとよい。ハイパースレッディングによって少ないコアで複数のアプリケーションを稼働させるよりも、コア数の多いCPUを購入し、ハイパースレッディングを無効にする方が効率的な場合があるからだ。
2.アドレス変換にCPUリソースを使い過ぎる
仮想化ソフトウェアの「ハイパーバイザー」は、VMが利用する仮想メモリのアドレスを、物理メモリのアドレスに変換する。こうしたアドレス変換は、CPUリソースを消費しやすい。アドレス変換の結果、VMの処理速度が低下することは、よくある問題だ。
CPUの仮想化支援機能「Second Level Address Translation」(SLAT)は、通常であればハイパーバイザーを介して実行するアドレス変換を、CPUが直接実行する技術。アドレス変換時のCPUリソース使用量を抑え、データの処理速度を向上させる。
IntelはSLATを「Extended Page Tables」(EPT)、AMD(Advanced Micro Devices)は「Rapid Virtualization Indexing」(RVI)と呼ぶ。CPUでSLATを有効にするために、OSの起動を制御するBIOS(Basic Input/Output System)で設定する必要がある。
3.必要なvCPUを確保しない
CPUの負荷が高いアプリケーションをVMで稼働させる場合は、仮想CPU(vCPU)の割り当てに気を付ける必要がある。アプリケーションによって、CPUリソースの要件は異なる。機能が単純なアプリケーションは1個のvCPUで正常に動作するとしても、データベース管理システム(DBMS)やメールサーバなど、集約的なアプリケーションは、4個以上のvCPUを必要とする場合がある。
必要なvCPUの数を計算するために、まずはアプリケーションが必要とするCPUの数と、同じ数のvCPUを割り当てる。例えばアプリケーションが2個のCPUを必要とする場合は、2個のvCPUを割り当てて動作を監視し、追加のvCPUが必要かどうかを判断する。処理負荷が特に高い場合は、異なるコアのvCPUを割り当てて負荷分散を図る。
第4回は、IntelとAMD、IBMが提供する、VMに適したCPUを紹介する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[アトラシアン株式会社] なぜAIを導入しても効果が出ない? 組織全体で使いこなすための仕組みとは -
製品資料
[プログレス・ソフトウェア・ジャパン株式会社] ネットワーク全体を見える化、フロー分析で実現する広域監視と迅速な異常検知 -
製品資料
[プログレス・ソフトウェア・ジャパン株式会社] SNMPより詳細で、パケット解析より簡単な「トラフィック可視化・分析」の方法 -
製品資料
[プログレス・ソフトウェア・ジャパン株式会社] 重要性を増す“侵入後の可視化” どのように実現すればよいのか? -
市場調査・トレンド
[クラウドストライク合同会社] 回避型攻撃が急速に拡大、連鎖する攻撃を防ぐためのアプローチとは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
3
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
負の遺産ではない! 今こそメインフレームを再評価すべし
-
6
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
7
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
8
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
9
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
10
毎日2時間の“無駄”を生む「紙とExcel」管理 田中精密工業はどう脱却したのか
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
3
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
4
SCS評価制度時代の「SASE選定」ガイド
-
5
顧客対応自動化の要点:RAGとデータ連携で“業務で使える生成AI”にする方法
-
6
マンガで解説:情シスの負担を減らす「MDRサービスのインシデント対応」の中身
-
7
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
-
8
有識者が語る、中堅中小企業に求められる最新のサイバーセキュリティ対策とは
-
9
「EDR」選定ガイド:比較・検討フェーズで整理すべきポイントを解説
-
10
なぜAIは組織で定着しないのか? 全社展開を阻む「3つの壁」と突破のヒント
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー