サーバ選定時は、CPUやメインメモリ、ストレージ、ネットワークなどのハードウェアリソースを適切に選択することが欠かせない。具体的に、どのようなポイントを評価すればいいのだろうか。
サーバを選定する際は、フォームファクター(形状や大きさなどの仕様)やハードウェアリソースなどに分類して評価することが欠かせない。フォームファクターの選定については前編「『タワー型サーバ』『ラックマウント型サーバ』『ブレードサーバ』の違いは?」で紹介した通りだ。
いずれのフォームファクターを選ぶとしても、サーバには運用するシステムの負荷を十分に処理できる性能を持たせる必要がある。コンピューティング、ストレージ、ネットワークの適切なハードウェアリソースを検討するために、確認すべきポイントを紹介しよう。
コンピューティングのハードウェアリソースは、CPUなどのプロセッサとメインメモリが対象になる。CPU内部には、処理を実行するコンポーネントであるコアが搭載されている。より多くの処理を同時かつ高速にこなすために、CPUに複数のコアを搭載するマルチコアが基本になっている。例えば10コアを備えるCPUを2基搭載、といった構成のサーバがある。CPUやコアの数が処理性能を大きく左右する。
CPUのクロック周波数も考慮すべきポイントになる。クロック周波数が高いほど、1秒当たりに実行できる命令数は増える。ただしCPUのコア数が多い場合は、クロック周波数が低くなっている場合があるため、システム要件と予算のバランスを見て検討しなければならない。キャッシュメモリもCPUの処理性能に与える要因になるが、これはさまざまな実装方式があるため、比較するのは簡単ではない。
サーバの処理性能を向上させるためには、十分な容量のメインメモリも必要だ。単純にメインメモリの容量を増やせば、サーバ全体の処理性能が向上する場合がある。メインメモリを増強して物理的な空き容量を増やせば、CPUからの命令にすぐに応答できるようになるためだ。メインメモリにおいてはデータ転送速度などの数値も性能を左右する要素になる。高可用性を求める場合は、サーバの一部に障害が発生しても稼働を継続する「フォールトトレラント」の機能が組み込まれていることも欠かせない。
通常、サーバは何らかのストレージ(外部記憶装置)を搭載している。内蔵ストレージに必要な容量は運用するシステムの特性によって異なる。例えばデータの大部分をSAN(Storage Area Network)などの外付けストレージに格納する場合もある。サーバを評価する際は、運用するアプリケーションやデータ量を考慮に入れて、サーバ内部に搭載するストレージの容量を判断する必要がある。
内蔵ストレージの性能も評価ポイントとして重要だ。スループット(時間当たりのデータ転送量)やIOPS(1秒当たりのデータの読み書き速度)、レイテンシ(遅延)など、アプリケーションに求められる要件を加味して、SSD(ソリッドステートドライブ)、HDD、SSDとHDDのハイブリッド構成のいずれが適するのかを判断する。この際、サーバが搭載できるストレージのフォームファクターやインタフェース、プロトコルの確認も欠かせない。
サーバのハードウェア構成を評価する際の、もう一つの評価ポイントがネットワーク機能だ。特に、搭載可能なネットワークインタフェースカード(NIC)の種類、データ転送速度、ポート数を確認する必要がある。例えば1GbE(ギガビットイーサネット)のポートを2つ搭載するNICを1つ搭載するサーバもあれば、10GbEのポートを4つ備えるNICを2つ搭載するサーバもある。ストレージの接続規格「ファイバーチャネル」(FC)によるSANに接続するためのインタフェースなど、特殊なアダプターを付属するサーバもある。
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