2大プロセッサベンダーIntelとAMDのCPUは、仮想マシンの処理を高速化させる仮想化支援機能やセキュリティ対策機能を備えている。これらはどのような機能なのか。
「CPU」(中央処理装置)は製品によって、搭載するコア数やキャッシュメモリ容量、機能が異なる。仮想マシン(VM)を快適に利用するには、仮想化支援機能を備えたCPUが有力な選択肢となる。本稿は代表的なCPUベンダーであるIntelとAMD(Advanced Micro Devices)のCPUが備える、仮想化支援機能の特徴を取り上げる。
IntelやAMDは、自社のCPUに仮想化支援機能を搭載している。Intelの仮想化支援機能「Intel Virtualization Technology」(Intel VT)には、x86系CPU向けの「VT-x」、IA-64系CPU向けの「VT-i」に加えて、I/O処理の仮想化を支援する「Intel Virtualization Technology for Directed I/O」(VT-d)、ネットワーク処理の仮想化を支援する「Intel Virtualization Technology for Connectivity」(VT-c)などの種類がある。
AMDがCPUに搭載する仮想化支援機能には、VT-xと同様の「AMD Virtualization」(AMD-V)と、VT-dと同様の「AMD-Vi」がある。こうした仮想化支援機能は、「ハイパーバイザー」などの仮想化ソフトウェアによるリソース管理処理の一部を、物理CPUが直接担うことで、処理を高速化する。
IntelとAMDは、自社のCPUにそれぞれ「Execute Disable Bit」(XD bit)、「No Execute Bit」(NX bit)というメモリ保護機能を備える。これらの機能は、CPUの特定のメモリ領域で、プログラムを実行することを拒否できるようにする。これにより、ユーザー企業はVMをサイバー攻撃から保護しやすくなる。
VMに適したCPUを選択する際には、まずユーザー企業はVMで稼働させたいアプリケーションを明確にすることが重要だ。その上で、利用するハイパーバイザーが、そのCPUを利用できるかどうかを確認する。
第3回は、VM運用時のCPUに関する注意点を説明する。
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