無線LANの空間内の「動き」を検出する「Wi-Fiセンシング」。その仕組みとは、どのようなものなのか。ざっくりと解説する。
標準化団体IEEE(米国電気電子技術者協会)は、無線LANの通信速度の高速化や帯域幅(通信路容量)の拡大、セキュリティの向上などを実現するために、新しい無線LAN企画の標準化を進めている。こうした性能面での改善とは別に、IEEEが標準化を進めているのが「無線LANセンシング」(以下、Wi-Fiセンシング)だ。Wi-Fiセンシングとは何かを紹介する。
詳細の説明に入る前に、無線LANについての基礎知識を抑えておこう。ネットワークは複数のレイヤー(層)で構成される。無線LANはレイヤー1(物理層)とレイヤー2(データリンク層)で機能する仕組みで、クライアントデバイスがネットワーク接続できるよう、LAN(Local Area Network=住宅やオフィスといった限られた場所で使えるネットワーク)を構築する。大まかな説明ではあるが、Wi-Fiセンシングを理解するためにはこれで十分だと考えられる。
Wi-Fiセンシングとは、レイヤー1で無線LANが使用する無線周波数(RF:Radio Frequency)の信号を検出(センシング)し、人の行動や空間の状況の変化を認識する技術だ。RFの信号は特定の受信域内(空間)で、絶えず「動き」の影響を受ける。動きとは人や動物、車といった物体など、あらゆるものの動きを指す。Wi-Fiセンシングは検出の精度を高めるために、高度な機械学習アルゴリズムを使っている。
中編は、Wi-Fiセンシングの中核要素と、具体的な活用シーンを見る。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
もし“キーマン”がいなくなったら? 属人化しないデータセンター運用の作り方 (2025/3/18)
多拠点ネットワークの苦悩「セキュリティ、運用負荷、コスト」をどう解消? (2025/2/20)
LANケーブルではもう限界 構内ネットワークに「光ネットワーク」という選択肢 (2025/1/14)
DX時代のIoTに起きている課題 スマホとエッジデバイスの新たな役割とは (2025/1/7)
脱VPNなんて一気には無理──忙しすぎる情シスの“起死回生の策”は? (2024/12/25)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...