無線LANの空間内の「動き」を検出する「Wi-Fiセンシング」。その仕組みとは、どのようなものなのか。ざっくりと解説する。
標準化団体IEEE(米国電気電子技術者協会)は、無線LANの通信速度の高速化や帯域幅(通信路容量)の拡大、セキュリティの向上などを実現するために、新しい無線LAN企画の標準化を進めている。こうした性能面での改善とは別に、IEEEが標準化を進めているのが「無線LANセンシング」(以下、Wi-Fiセンシング)だ。Wi-Fiセンシングとは何かを紹介する。
詳細の説明に入る前に、無線LANについての基礎知識を抑えておこう。ネットワークは複数のレイヤー(層)で構成される。無線LANはレイヤー1(物理層)とレイヤー2(データリンク層)で機能する仕組みで、クライアントデバイスがネットワーク接続できるよう、LAN(Local Area Network=住宅やオフィスといった限られた場所で使えるネットワーク)を構築する。大まかな説明ではあるが、Wi-Fiセンシングを理解するためにはこれで十分だと考えられる。
Wi-Fiセンシングとは、レイヤー1で無線LANが使用する無線周波数(RF:Radio Frequency)の信号を検出(センシング)し、人の行動や空間の状況の変化を認識する技術だ。RFの信号は特定の受信域内(空間)で、絶えず「動き」の影響を受ける。動きとは人や動物、車といった物体など、あらゆるものの動きを指す。Wi-Fiセンシングは検出の精度を高めるために、高度な機械学習アルゴリズムを使っている。
中編は、Wi-Fiセンシングの中核要素と、具体的な活用シーンを見る。
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