「オープンソースソフトウェア」(OSS)は一般的に無料でコストメリットに優れるが、採用の際には注意すべき点もある。OSSの長所と短所を正しく見極めることが、導入可否の判断に役立つ。
ソースコードを公開している「オープンソースソフトウェア」(OSS)の利用が広がっている。OSSを自社システムに取り入れるべきかどうかの検討を迫られている企業は少なくない。そうした中でソースコード共有サービス「GitHub」のような、開発者同士の連携をこれまでよりもはるかに容易にする手段を手軽に利用できるようになったことは注目に値する。
企業は導入に踏み切る前にOSSの長所と短所を慎重に比較検討しなければならない。サポート、コスト、セキュリティの全てが判断要素になる。
特定のタスクを処理する上でOSSが最善の選択肢となるIT領域がある。OSSは一般的に、幅広いベンダーのシステムと連携する。特定の環境に縛られるものは少ない。つまり企業のベンダーロックイン回避に効果がある。例えばHashiCorpの「Packer」というOSSがある。IT部門はこれを使って、VMwareの仮想化ソフトウェアで構築したオンプレミスの仮想環境や、「Amazon Web Services」(AWS)、「Microsoft Azure」などのパブリッククラウドでの仮想マシンイメージ作成を自動化できる。この機能はパブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドや、複数のパブリッククラウドを組み合わせるマルチクラウドで特に重宝する。こうした使い方をすれば、PackerをDevOps(開発と運用の融合)のパイプライン(連結した作業プロセス)と連携できる。
OSSのもう一つのメリットは、常に企業が気にするもの、つまりコストだ。OSSはその性質上、一般的に無料で使える。つまり企業はソフトウェアをサポートする優秀な人材の雇用に、ソフトウェアの費用を再配分できる。
さらにOSSを使うと、企業は自社固有のニーズに合わせてソフトウェアをカスタマイズすることもできる。
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