ネットワーク分野におけるオープンソースの受け入れと展開の機は熟していると関係者は語る。SnapRoute、NGINXなど注目のオープンソースソフトウェアを紹介する。
オープンソースネットワークソフトウェアのことになると、感情が高まる。オープンソースネットワークソフトウェアは、2017年に入ってから、少なからぬ心配とさまざまな衝撃的な会話を引き起こしている。また、アナリストや投資家からは、業界全体を巻き込む混乱を予測する興奮じみた解説がなされている。
何千もの仕事や何百万ドルもの大金を簡単に手に入れられるため、オープンソースネットワークソフトウェアがもたらす利益は大きい。Cisco Systems(以下Cisco)をはじめとする業界の大手ベンダーは、現状にプレッシャーを感じている。Ciscoは最近大規模な人員削減を行っている。また、JPMorgan Chase & Co.が2016年に実施した調査では、Ciscoが企業の主要なネットワークインフラサプライヤーとしての地位を失っていることが判明している。ベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitzでパートナーを務めるピーター・リバイン氏は、その一因は、クラウド経由でネットワークサービスを提供するオープンソースのスタートアップ企業の台頭にあると指摘する。
当時、同氏は「私はオープンソースがネットワーク業界に混乱をもたらすことができると信じている」とTechTargetに語っている。
携帯電話事業でBlackBerryやNokiaが犯したことのように、失速しているテクノロジーに加担したいと思う企業は存在しないだろう。現在、CiscoやJuniper Networksをはじめとする大手ネットワーク会社は、自社の戦略にオープンソースがどう適合するかを解明するのに躍起になっているようだ。
オープンソースネットワークソフトウェアは、革新を促進し、コストを削減し、ベンダーロックインを軽減し、柔軟性と効率を向上する。そうオープンソースネットワークソフトウェアの推進派は語る。Appleでネットワークの責任者を務めた経験があり、現在はSnapRouteを創立してCEOを務めているジェイソン・フォレスター氏は、オープンソースのスタートアップ企業を設立する動機はシンプルなものだったと語る。それは、夜に熟睡したいということだった。
「私は日常的な管理作業を行うために夜間の作業を強いられていた。そのため、もっと良い方法があるはずだと考えるようになった」(フォレスター氏)
フォレスター氏は、基本的なスイッチとルーターのためのオープンソフトウェアの標準を確立したいと考えていた。その目的は、深夜に起きて対応しなければならなかった管理作業の合理化だ。
Gartnerのリサーチ部門でネットワーク業界担当のバイスプレジデントを務めるアンドリュー・ラーナー氏は、ネットワークの分野がオープンソースを活用する最後のテクノロジー分野の1つになると補足する。
「サーバではLinux、ストレージとビッグデータではHadoopを使用することで既にオープンソースを活用している。つまり、現時点で問題となるのは、ネットワーク組織でオープンソースを活用するかどうかではなく、どのようにオープンソースを活用するかだけだ」(ラーナー氏)
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