「Nginx」「HAProxy」「Linux Virtual Server」
フリーのLinuxロードバランサー3つを比較する(1/2 ページ)
「Nginx」「HAProxy」「Linux Virtual Server」は、複数台のサーバを抱え高いトラフィックに対応するLinuxロードバランサーの選択肢になる。
複数台のサーバを運用して膨大な負荷を処理しているなら、ロードバランサーが役立つだろう。ベンダーはハードウェアアプライアンスとしてロードバランサーを提供しているが、無料で利用できるLinuxのロードバランサーソフトウェアもある。
ロードバランサーは、高トラフィックを処理するバックエンドサーバの応答時間を向上する。企業は一般的に、複数のバックエンドサーバで動作するアプリケーションやワークロードのフロントエンドとしてロードバランサーを使用する。理論上、負荷分散はあらゆる種類のサービスで可能だ。だが、実際に負荷分散の恩恵を受けられるのは、HTTPサーバとHTTPSサーバで行った処理の場合だ。
ロードバランサーは単一障害点をもたらす。だが、高可用性(HA)構成でロードバランサーを使用すると、ロードバランサーはダウンしても再起動される。ロードバランサーの高可用性は、「Pacemaker」のような外部のLinuxベースのHA製品によって構成される。Pacemakerは定期的にロードバランサーの可用性をポーリングすることでロードバランサーを監視する。ロードバランサーが停止すると、ロードバランサーは再起動される。
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Linuxロードバランサーの選択肢
Linuxロードバランサーで人気の選択肢として、「Nginx」「HAProxy」「Linux Virtual Server」の3つが挙げられる。どれも負荷分散サービスを提供し、Linuxで動作する。この3つのロードバランサーの違いは、開放型システム間相互接続(OSI)モデルを踏まえれば説明できる。
OSIモデルでは、さまざまな層のネットワーク通信を定義している。上位層になるほど使用するプロトコルの種類が細かく規定されている。OSIの下位層で機能するロードバランサーは、プロトコルに依存しないため比較的汎用性が高く、パケットのオーバーヘッドが小さいことから高速だ。一方、OSIの上位層で機能するロードバランサーは、下位層より細かい規定がなされているため、より多くの機能が提供される。ただし、それが原因で下位層のロードバランサーより低速になる。
Linux Virtual ServerはOSIの第4層で機能するため、一般的な方法で接続を監視して、各種トラフィックに対応する。HAProxyとNginxは、どちらもOSIの第7層でHTTPベースの負荷分散サービスを提供する。そのためこの2つはHTTPの応答時間を改善する選択肢としては優秀だが、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)、SSH(Secure Shell)などのプロトコル寄りのトラフィックの負荷分散は難しくなる。ただしHAProxyはMySQLデータベースとMariaDBデータベース用の負荷分散機能をサポートしており、Nginxも電子メールに対するサポートをある程度提供している。
HTTPパケットの負荷を分散する必要がある場合は、必ずしもHAProxyまたはNginxを使った方が良いわけではない。なぜならロードバランサーがOSIモデルの上位層で機能する際には、より多くの処理を行い、HTTPパケットのヘッダを含む全てのパケットを監視しなければならないからだ。
その他にも、第7層にあるロードバランサーはユーザー空間で機能するため、カスタマイズしやすいという違いがある。一方、Linux Virtual Serverは、カーネル空間で機能するため動作は高速だ。
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