スマホでテザリングをする方法【前編】
無線LANにはない「テザリング」の利点とは? スマホならではの落とし穴も
スマートフォンやタブレットのテザリング機能は便利だ。テレワークをしている従業員にとってはバックアップ回線として心強い存在だろう。ただし、テザリングにはリスクもある。
企業がテレワークを継続するのであれば、IT部門はテレワークで働く従業員の接続オプションとしてモバイルホットスポットの仕組みを理解しておくことが重要だ。これはデバイスを即席のアクセスポイントに仕立てる「テザリング」機能を利用してホットスポットにするものだ。スタンドアロンのホットスポットデバイスやGoogleのモバイルOS「Android」を搭載する主要なスマートフォン、Appleのスマートフォン「iPhone」などで利用できる。
無線LANではなくテザリングを使う方法にはメリットだけでなくリスクもある。詳しく見ていこう。
無線LANではなく「テザリング」を使うメリットと落とし穴
モバイルホットスポットを使えば、公共の無線LAN(Wi-Fi)にアクセスするリスクを避けながらどこからでも作業が可能になるため、外出先で作業する従業員にとって価値がある。1つのホットスポットに複数のデバイスを接続することも可能だ。
テレワークにおけるホットスポットのメリットは、ポケットサイズのバックアップ接続が従業員にもたらされることだ。例えば、悪天候に見舞われる地域でテレワーク勤務する従業員がいるとする。停電してインターネット接続が利用できなくなっても、従業員が自身のモバイルホットスポットに接続を切り替えれば、ビジネスチャットツール「Slack」やメールで停電の状況を伝えることができる。
一方でリスクもある。モバイルホットスポットはさまざまな理由から従業員の主要接続手段として利用すべきではない。モバイルホットスポットを従業員のバックアップ接続として利用可能にする場合でも、IT部門は主に次の4つの事項に注意して、管理しなければならない。
1.自社のモバイルポリシー
企業がモバイル端末の利用についての規則を定めたモバイルポリシーには、必ずしもモバイルホットスポットの利用が考慮されているとは限らない。そのため、モバイルホットスポットを利用する場合のコスト、私物端末の業務利用(BYOD)を可能にする場合の清算方法、データ容量の上限、セキュリティなどを考慮して自社のモバイルポリシーを策定する必要がある。IT部門は、モバイルデバイス管理(MDM)を利用して定めたポリシーを運用しなければならない。
2.データ通信量の制限
会社の所有するデバイスであろうと、BYODであろうと、モバイルホットスポットで利用するデータ通信量の制限に注意する必要がある。ホットスポットはフルタイムのインターネット接続の代用にはならないことを利用者に明確に伝えておく。会社所有のデバイスの場合、自社が購入し、承認済みのユーザーに割り当てる限りある供給データの範囲内で利用することになる。
BYOD用の端末でホットスポット機能を利用する場合は、そのスマートフォンを所有する従業員のデータプランの範囲内でデータを消費することになる。寛大なIT部門ならば利用料金を清算してくれる可能性があるだろう。しかし、その従業員が無制限のデータプランを契約していても、データ通信量が制限されることがある。
3.電力消費
自宅で働いていればスマートフォンを簡単に充電できる。だが、外出する従業員のスマートフォンの電力消費には注意が必要だ。バッテリーを簡単には充電できない状況では、ホットスポット機能の利用を控えるよう従業員に注意を促す。
4.セキュリティ
デバイスのOSの更新、ファイアウォール機能の有効化、VPN(仮想プライベートネットワーク)の使用といったモバイルデバイスのセキュリティの基本は、パーソナルホットスポットの利用にも当てはまる。
後編はモバイルホットスポット機能を利用する際の注意点と、具体的な手順を解説する。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[株式会社キーエンス] PCが苦手でも自動化できる ポポラマーマなど4事例に学ぶ「ナビ搭載型RPA」活用 -
製品資料
[株式会社クレオ] IT部門を“価値創造組織”へ転換 IT管理プロセスの改革で戦略的リソースを確保 -
製品資料
[株式会社クレオ] Excel管理が限界に――ITサービス管理の脱・属人化と運用高度化を実現する方法 -
製品資料
[株式会社クレオ] 西武グループやイオングループも実践 事例に学ぶ「ITサービスデスク業務」改善 -
製品レビュー
[株式会社クレオ] 「使われないITシステム」から脱却 現場が求める業務改善を実現する方法
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
3
「レガシーシステム・老朽化システムの運用課題と刷新」に関するアンケート
-
4
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
5
1回で分かる:仮想マシンを丸ごとバックアップする「VADP」の仕組み
-
6
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
7
セキュリティは「情シス任せ」が過半数 漏えい発生時やSCS評価制度の課題は?
-
8
脱VMwareか、継続か? 仮想化ソフト主要6製品の運用管理と統制機能を徹底比較
-
9
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
10
世界PC出荷数が20%急減 情シスを直撃するPC先行調達の反動と価格高騰
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
2
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
3
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
6
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
7
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
8
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
9
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
10
生成AIの活用を阻む「5つの壁」とは? AIネイティブ組織へ変革を遂げる方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー