Linuxのセキュリティを比較【後編】
Linuxの「SELinux」と「AppArmor」は結局どちらを選ぶべき?
アクセス制御を「Linux」で実行する上では、主に「SELinux」と「AppArmor」の2つの選択肢がある。それぞれの利点と欠点をまとめた。
OS「Linux」は、複数のセキュリティモジュールを組み込んでいる。アクセス制御を実現するための代表的なセキュリティモジュールが「SELinux」(Security-Enhanced Linux)「AppArmor」だ。「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)およびその派生ディストリビューション(配布パッケージ)はSELinuxを、「Debian」およびその派生ディストリビューションはAppArmorを主に標準セキュリティモジュールとして採用している。両者には、それぞれどのような利点と欠点があるのか。
SELinuxの利点と欠点
併せて読みたいお薦め記事
連載:Linuxのセキュリティを比較
Linuxの運用管理
SELinuxの利点は、適用できる制御の細かさだ。SELinuxは、異なるセキュリティレベルを持つ情報の扱いを可能にするための仕組み「MLS」(Multi-Level Security)に基づいたアクセス制御ができる。これによって細かくアクセス制限をしたり、機密性の高いデータが漏えいすることを防いだりしやすくなるため、より強固なセキュリティを構築可能だ。
ただしSELinuxは習得が難しい。SELinuxのようなCLI(コマンドラインツール)は使いこなすための技術が必要な上、エラーの対処も難くなりがちだ。このため、SELinuxに不慣れなIT管理者は挫折してしまう可能性がある。
AppArmorの利点と欠点
AppArmorの利点は、使い方が簡単なことだ。このことを理由に、RHELベースのディストリビューションではなく、Ubuntuベースのディストリビューションを選択するIT管理者が一定数いる。
シンプルで使いやすい半面、AppArmorは、SELinuxのように細かいアクセス制御をすることは難しい。AppArmorはアプリケーションやプロセスのアクセスをファイルパスに基づいて制御する一方で、SELinuxは属性に基づいてアクセス制御を実施するため、より高いレベルでのアクセス制御が可能になる。Linuxの起動時間が長くなりやすいことも欠点だ。
どちらを採用すべきか
SELinuxは時間がかかる複雑な問題への対処に、AppArmorは素早く解決する必要がある問題への対処に向いている。より強固なセキュリティを求める場合は、SELinuxを標準で有効にしているディストリビューションを選ぶとよい。あなたがIT管理者ではなく、攻撃者を妨害するセキュリティシステムを搭載したディストリビューションをお望みなら、AppArmorを標準で有効にしているものの方が望ましい。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー