「OpenSSH」に重大な脆弱性【前編】
OpenSSHの“あの欠陥”が再発 サーバ1400万台への影響とは?
暗号化されたファイル転送のために広く使われている「OpenSSH」に重大な脆弱性があることが分かった。影響は決して限定的とは言えない。どのような脆弱性なのか。
セキュリティベンダーQualysは、「OpenSSH」に重大な脆弱(ぜいじゃく)性を発見した。OpenSSHは通信プロトコル「SSH」(Secure Shell)を利用するためのオープンソースソフトウェア(OSS)だ。同社によると、対象の脆弱性は過去にあった欠陥が再発したもので、約1400万台のサーバに影響を与える可能性がある。どのような脆弱性で、なぜ危険なのか。
“あの脆弱性”が再発 その危険性とは?
Qualys脅威分析部門のシニアディレクター、バラット・ヨギ氏によると、今回見つかった脆弱性「CVE-2024-6387」は、パッチ(修正プログラム)が公開されている脆弱性「CVE-2006-5051」のリグレッションだ。リグレッションとは、修正済みの不具合がその後のソフトウェアリリースで再発したものを指す。CVE-2024-6387は悪用されれば、root(管理者)権限でコードが実行される恐れがあると同氏は説明する。
OpenSSHはファイル転送といった用途で、通信を暗号化して安全性を高めるために広く使われている。一方で、攻撃者からも積極的に狙われているとみられる。Qualysによると、同社がインターネット接続デバイスの検索ツール「Censys」と「Shodan」を用いて調査したところ、約1400万台のサーバがCVE-2024-6387の影響を受ける可能性があることが分かった。
CVE-2024-6387を悪用した攻撃によって、マルウェア感染やデータ流出、バックドア(不正侵入の入り口)の設置といった被害が生じる可能性があるという。「攻撃者はroot権限でシステムに入り込むことでファイアウォールや侵入検知システムなどを回避し、システム内での行動を隠せるようになる」とヨギ氏は述べる。
CVE-2024-6387が影響を与えるOpenSSHのバージョンは以下の通りだ。
- 「4.4p1」より前のバージョンで、CVE-2006-5051のパッチが適用されていないもの
- 「8.5p1」から「9.8p1」より前までのバージョン
Qualysによると、該当バージョンのユーザー組織は迅速にパッチを適用しなければならない。パッチはOpenSSHのメジャーアップデートプログラムに含まれている。ユーザー組織はパッチ適用の他、2024年7月1日にリリースされたOpenSSHの最新バージョン「9.8p1」にアップグレードすることでCVE-2024-6387を修正できる。
後編は、CVE-2024-6387の影響を受けるシステムと受けないシステムを見る。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー