エッジ分析のユースケース【後編】
魔法の手法「エッジ分析」の失敗を避けるためのポイント
データが生成される場所で処理を実施して洞察を得る「エッジ分析」は企業にさまざまな利点をもたらすが、実施に当たっての課題もある。エッジ分析の課題と解決方法を紹介する。
現場で収集したデータをデータセンターに送信し現場から離れた所で分析すれば、遅延が発生してリアルタイム分析ができない可能性がある。データが生成される場所で処理を実施し遅延を避けられるのは、「エッジ分析」だ。エッジ分析は製造や物流、小売りなどさまざまな業界で注目を集めている。しかしエッジ分析の実施に際しては課題もある。どのようなものなのか。
エッジ分析に当たっての課題と解決方法
併せて読みたいお薦め記事
連載:エッジ分析のユースケース
エッジコンピューティングの知識を深めるには
一般的に、エッジ分析を採用するかどうかは、具体的なユースケースによる。前編でも取り上げたような、機械の故障予測や配送ルートの最適化といった「すぐにリアクションが必要なユースケース」だと、エッジ分析が最適だ。一方で、長期にわたるパターン分析やトレンド分析といった高度なデータ処理が必要な場合は、計算能力に優れたデータセンター(クラウドサービス)でデータを分析したほうがいいと考えられる。
エッジ分析に取り組む際に課題として直面するのは、さまざまなセンサーで集めてそれぞれフォーマットが違うデータの統合だ。データを分析しやすくするために、データを標準化する必要がある。どの機械やセンサーで取得したデータでも、全てのデータに互換性を持たさなければならない。Amazon Web Services(AWS)の「AWS IoT Greengrass」やMicrosoftの「Azure IoT Edge」など、大手ベンダーのIoTサービスを利用すれば、データ管理を簡素化できる。
企業はエッジ分析を成功させるために、まずパイロットプロジェクトを立ち上げ、段階的に取り組むことが有効だ。
- まず、一つの施設内でリスクの高い設備を特定してエッジ分析を取り入れる。これによって、エッジ分析技術の運用を、他の施設に広げる前に検証できる。
- データ分析の用途に応じて十分な計算能力を持つ産業用ゲートウェイを設置する。産業用ゲートウェイによってセンサーデータを継続的に監視し、機械故障のパターンを検出できる。
- アラートが発生しない限り、センサーデータはローカルに保持する。
- 毎時間、データ要約をクラウドサービスに送信する。
教育も欠かせない
エッジ分析は技術だけではなく、人間のスキルも問われる。エッジでデータを処理すれば、異常検出の際にすぐにアラートが発され、担当者は即座に対応しなければならない。そのため、エッジ分析を採用した現場は、レポート分析よりも迅速な対応力が求められる。企業はスキルギャップが生じないようにするために、従業員向けのトレーニングが重要だ。自社でのアラート対応が難しければ、ベンダーによるマネージド型サービスを利用するという手もある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
TechTarget グローバルインサイト
米国Informa TechTargetが発信する記事を翻訳し、国内向けに分かりやすく紹介します。最新の海外動向や先進事例を取り上げ、グローバルなITトレンドを把握できる連載です。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー