Googleのシステム開発AIエージェントの主な違いとは
「Google Antigravity」と「Gemini CLI」を表で比較 どう使い分ける?
Googleは「Google Antigravity」と「Gemini CLI」という2つのAI開発ツールを提供している。両者共にシステム開発や運用、コーディングに利用可能なツールだが、どのような違いがあるのか。
Googleは2026年2月5日(米国時間)、同社のAI(人工知能)ネイティブ統合開発環境(IDE)の「Google Antigravity」(以下、Antigravity)と、コマンドラインインタフェース(CLI)型のオープンソースAIエージェント「Gemini CLI」の主な機能を比較したブログ記事を公開した。両サービスはシステム開発やコーディングに利用できるという点では共通しているが、利用方法や機能、想定しているユーザーが異なる。両者はどのように使い分ければよいのか。
システム開発を自律して実行するGoogle Antigravity
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GoogleのAI開発ツールについて詳しく
Antigravityは、システム開発を自律的に実行するAIエージェント型開発サービスだ。2025年11月にプレビュー版が公開された。Antigravityは「エージェントファースト」を掲げ、AIエージェントが計画立案、コーディング、Webブラウジングによる動作検証までを自律的に実行することが特徴だ。
Antigravityは「ミッションコントロール」機能を搭載している。開発者は管理者として複数のAIエージェントを同時に稼働させ、AIエージェントにリファクタリングやテストなどのタスクを並行処理させることが可能だ。AIエージェントは作業計画や検証動画、思考プロセスを「アーティファクト」というドキュメントや動画、画像として出力し、人間がそれをレビュー・承認する形で開発が進む。Microsoftのコードエディタ「Visual Studio Code」(VS Code)を基に構築されており、AIエージェントの実行権限やコーディングルールをカスタマイズできる。
Antigravityの無料プランは個人向けのGoogleアカウントで利用できる。有料プランとして月額料金1200円の「Google AI Plus」プランや月額2900円の「Google AI Pro」プランを用意しており、プランごとに利用回数の上限や利用可能なAIモデルが異なる。
ターミナルから操作可能なGemini CLI
Gemini CLIはGoogleが2025年6月に公開した、ターミナル(CLIを利用するためのアプリケーション)を通して利用可能なオープンソースのAIエージェントだ。開発者はコマンドラインから直接GoogleのAIモデル「Gemini」の各バージョンを利用して、コード生成やファイル操作、トラブルシューティング、Web検索に基づく調査などを自然言語で実行できる。
Gemini CLIはヘッドレスモード(非対話モード)を備えている。これは対話型のユーザーインタフェース(UI)を使わず、コマンドラインスクリプトや自動化ツールからGemini CLIをプログラム的に実行して、一連の処理の結果だけを受け取る機能だ。こうした同サービスの機能を既存の業務プロセスやスクリプトに組み込むことで、タスクの自動化にAI機能を利用できるようになる。
個人向けのGoogleアカウント(無料枠)またはGemini Code Assistの契約を通じて利用でき、ビジネス用途向けの「Gemini Code Assist Standard」エディションの場合は、12カ月契約で月額料金が19ドル掛かる。
表で解説 AntigravityとGemini CLIはどちらを利用すべきか
GoogleはAntigravityを「完全なAIエージェントの管理機能やIDE(Integrated Development Environment:統合開発環境)を求める場合向け」、Gemini CLIは、「ターミナルのCLIを求める場合や、ヘッドレスモードでの実行が必要な場合向け」として紹介し、両者の機能などの主な違いを以下のようにまとめている。
| サービス名 | Antigravity | Gemini CLI |
|---|---|---|
| 想定ユーザー | AIエージェントを用いてアプリケーションを構築したり、自分の代わりにタスクを実行させたりしたいと考えている開発者。 | ターミナルでの作業を好む開発者。 |
| インストール方法 | マウス操作とメニュー画面から簡単にインストールできる。事前のデバイスの設定は不要。 | 事前にNode.jsをインストールしておく必要がある。その後以下のnpmコマンドを実行することで、インストールできる。 npm install -g @google/gemini-cli |
| 複数エージェントのオーケストレーション | AIエージェントの管理画面「Agent Manager」が、複数のエージェントの実行を管理するダッシュボードとして機能する。 | ターミナル多重化ソフトウェア「tmux」を使ったターミナルウィンドウの分割や、複数のターミナルウィンドウの起動によってターミナルを多重化し、複数エージェントを実行できる。 |
| 仕様駆動開発(注1) (Spec-Driven Development:SDD) |
仕様の実装方法について独自に判断し、レビュー可能な設計書やコードを提供する。 | 拡張機能の「Conductor」を用いて実行できる。 |
| 拡張性 | 「Open VSX」拡張機能(注2)や「MCP」(Model Context Protocol)(注3)、「Agent Skills」(注4)が利用可能。 | Gemini CLI専用の拡張機能やMCP、Agent Skillsが利用可能。 |
注1 開発の初期段階でシステムの仕様を明確かつ厳密に定義し、その仕様を起点にAIエージェントを利用して設計や開発、テストを進める開発手法
注2 VS Codeの互換エディタ向けの拡張機能
注3 AIモデルを外部のプログラムやデータソースと連携させるためのプロトコル
注4 AIエージェントの機能を拡張するための再利用可能な知識パッケージ
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