『ディープラーニングG検定 最強の合格問題集』出張版
【G検定】AI活用で注意すべき「独占禁止法」 違反に当たらない行為はどれ?
AIの基礎から法律・倫理まで幅広い領域が問われる資格「G検定」。試験範囲の中でも重要度の高いテーマを1問ずつ取り上げ、理解の定着に役立つポイントを確認していきます。今回は、AIの活用が市場競争に与える影響を踏まえ、独占禁止法の観点から問題となり得る行為について取り上げます。
「G検定」(ジェネラリスト検定)は、AI(人工知能)技術全般、特に機械学習やディープラーニングの基礎を体系的に学ぶ資格試験です。AI人材の需要の高まりとともに受験者数は年々増加しており、企業でも従業員への取得を奨励する動きが広がっているそうです。
本記事はSBクリエイティブ刊『ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)最強の合格問題集[第2版]』(ヤン・ジャクリン 著)から、G検定の出題範囲を踏まえた問題と解説を1問1答形式で紹介します。今回は、AIの活用が市場競争に与える影響を踏まえ、独占禁止法の観点から問題となり得る行為について取り上げます。
問題
独占禁止法に違反しうるケースとして、最も不適切な選択肢を1つ選べ。
1.競争事業者間で合意しているカルテルの実効性を確認する目的で、AIを用いて互いの価格設定に関する情報を収集すること。
2.事業者が消費者に対して利用目的を公表せずに、AIを用いて個人情報を収集すること。
3.デジタルプラットフォーマーが、自社が販売する商品を常に上位に表示させる目的で、表示順位を決定するAIアルゴリズムを操作すること。
4.事業者の団体が特定の業界のAI学習用データセットを共同で管理し、市場を支配する目的で、このデータセットについて団体外の事業者との取引を拒絶すること。
――答えは分かりましたか?
正解と解説
正解は「2.事業者が消費者に対して利用目的を公表せずに、AIを用いて個人情報を収集すること。」
ビッグデータの時代である今、個人データや産業データを大量に保有するデジタルプラットフォーム(※)は、それらを自社で戦略的に活用したり、他の事業者に提供したりすることによって、競争の優位性を維持しています。
しかし、「一部の事業者によるデータの独占」や「事業者同士の価格に関する取り決め」は、市場の健全な競争を阻害するリスクとして問題視されています。競合事業者の活動が制限され、新規事業者の市場参入が困難になります。価格の吊り上げが容易になるため、消費者も不利益を被ることになります。
AI時代においても、健全な市場競争を保障する役割を果たしているのが独占禁止法(正式には「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」)です。独占禁止法は、公正かつ自由な市場競争を促進する目的で制定されています。複数の事業者が「協力して」市場での競争を阻害する「不当な取引制限」や「私的独占」を禁止しています(独占禁止法の第2条第5項、第6項)。
「不当な取引制限」の典型例には、事業者間でカルテルを結ぶことが挙げられます。「私的独占」とは、他の事業者の事業活動を制限または排除し、その開始や継続を阻止することを指しています。
選択肢2は、個人情報保護法において問題となる行動ですが、独占禁止法の禁止事項には直接関係ありません。選択肢1、3、4が上記の独占禁止法における禁止事項に該当します。
※ここで、デジタルプラットフォームとは、「インターネットを通じて事業者に提供される、電子商取引や情報配信などのための利用基盤や利用環境」として定義されています(出典:デジタル大辞泉)。簡単にいうと、デジタル技術やデータ等を用いてシステムやサービスを提供する事業者を指しています。
※この記事はSBクリエイティブ刊『ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)最強の合格問題集[第2版]』から、アイティメディアが出版社の許可を得て一部加筆編集の上、転載したものです(無断転載禁止)。
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