独自要件をどうシステム化するか

住友商事が挑んだ「125拠点のデータ集約」の裏側 “既存ソフト”はなぜNG?

拠点ごとに散在するデータは粒度がばらばらで、それらを扱うシステムにも特殊な要件が求められる――。住友商事は、この「情報の分断」「独自要件」を乗り越え、属人化の排除と業務標準化を実現した。その方法とは。

 総合商社の住友商事は、従業員の安全確保を経営課題に掲げている。同社は多角的なビジネスを展開しており、63の国と地域にある125拠点から報告される労働災害の内容は千差万別だ。しかし情報の粒度にばらつきがあり、過去のデータから教訓を引き出して共有することに多大な労力を要していた。適切な対処には専門知識が必要で、人材が限られていることも課題だった。

 こうした背景から住友商事は、日立ソリューションズが提供する情報共有システム「活文」を採用し、労災情報を一元管理するシステム「GENSAI」を構築した。2025年5月に運用を開始し、グローバルで統一された正確な記録を実現している。各担当者が定型化された項目から情報を入力する仕組みを実現することによって、過去事例の検索性が向上した。蓄積したノウハウの共有が進み、類似事故の再発防止につながる手応えを得ているという。

 労働安全という特殊な要件に対し、住友商事が既存のパッケージソフトウェアを選ばず、独自のシステム構築に踏み切った決め手は何だったのか。

基準がない労災管理の“限界”をどう乗り越えた?

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