捨てるつもりが情報流出に

データ漏えいを恐れてIT機器を「物理破壊」するのは本当に正解か?

セキュリティ上の懸念から、本来なら再利用できるはずのIT機器を物理的に破壊してしまう企業が後を絶たない。調査で浮き彫りになった、組織の過信と廃棄プロセスに潜む欠陥とは。

 不要になったIT資産の廃棄を請け負うITAD(IT Asset Disposal)業界は、サステナビリティ(持続可能性)とセキュリティの両方の観点から、存在感が増している。

 データ消去技術を扱うBlancco Technology Groupが2026年5月に発表したレポート「2026 State of Data Sanitization Report: Enterprise Security Anxiety」は、IT機器の廃棄において、情報流出への過度な警戒が新たな問題を生んでいることを指摘する。このレポートは、2026年1月~2月にかけて、北米、欧州、アジア太平洋の従業員5000人以上の大企業に属するIT、コンプライアンス、サステナビリティのリーダー1460人を対象にしたものだ。

 調査は、廃棄プロセスに対する企業の過信と、日々のIT運用の間に生じている乖離(かいり)を浮き彫りにした。機密情報が残ったままのHDDが廃棄プロセスを擦り抜けて流出している一方で、本来なら再利用できたはずの機器も物理的に破壊されているのが実態だ。

調査で判明した「廃棄の矛盾」

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