「大手企業=高年収」はわな?
エンジニアの4分の3が転職で年収増 doda調査に見る「もうかる転職」の条件
エンジニアの給与水準は本当に伸び悩んでいるのか。dodaの調査によると、技術職の7割以上が転職によって大幅な年収増を実現している。給与を引き上げるための具体的なアクションとは。
ITエンジニアのキャリア形成において、自らの市場価値を客観的に把握し、適切なタイミングで職場を移ることは、自身の技術力に見合った年収を得るための不可欠なステップとなっている。所属企業では給与体系の制約や年功序列の評価軸がボトルネックになり、保有する技術スキルに見合った処遇を得られないケースが少なくない。
人材紹介会社パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda」は、2025年10月から2026年3月の期間に同サービスを利用して転職したビジネスパーソンを対象とした調査を実施した。その結果、転職によって年収が上昇した割合は全体の64.1%に達し、平均増加額は約109万円だった。ITエンジニアは他職種と比較しても転職後に年収が上昇する傾向が強く、専門性を生かした転職が年収増加に直結しやすい状況がデータから読み取れる。
どのような経験やスキルを持つ人材がより高い評価を得ているのか。職種別の具体的なデータと、エンジニアが市場価値を生かして年収を引き上げるためのアプローチを解説する。
技術職における年収増加の実態
調査によると、転職前の職種別データにおいて「技術職(SE、インフラエンジニア、Webエンジニア)」は、年収が上昇した割合が74.8%と全職種中で最も高い水準を示している。年収の平均増加額も約132万円と全職種中で最大だった。
この背景には、企業におけるIT投資の恒常的な拡大と、即戦力になる実務経験者の構造的な不足がある。特定の開発言語やシステムの構築・運用経験を持つ技術者は、業種を問わず需要が高く、企業間での人材獲得競争が提示年収を引き上げる要因となっている。
年代別の傾向を見ても、25〜29歳を中心とした若手層の年収上昇割合が67.9%と高く、30代後半(35〜39歳)にかけて平均増加額がピーク(約131万円)に達する。実務で培ったスキルを素早く新しい開発環境やインフラに適用できる人材は、若手であっても採用時の提示年収が引き上げられやすい。
異業種移行による給与規定の再設定
エンジニアが年収を引き上げるための手法の一つが、異なる業種への技術力の転用だ。調査データでは、転職前後で「異業種・同職種」に移った人材の66.1%が年収アップを実現している。「異業種・異職種」という完全な未経験分野への転職であっても、61.2%が年収増を達成している。
システム開発やインフラ運用のスキルは、特定の業界に依存しない汎用(はんよう)性を持つ。企業の給与額は各社が定める「給与規定」によってベースラインが決まる。そのため、IT・通信、金融といった市場ニーズと給与規定の水準自体が高い業種に移行することが、年収アップに直結しやすい。評価されるのは対象業種の業務知識そのものではなく、過去のプロジェクトで自ら課題を解決し、システム要件に落とし込んで成果を創出した経験だ。エンジニアは、自身の持つアーキテクチャ設計やデータ分析の知見が、どの業界のビジネスロジックに貢献できるかを客観的に分析することが求められる。
企業選定における判断軸と評価の仕組み
転職を通じた年収の引き上げにおいて、単に大手企業を目指すアプローチが常に最適とは限らない。大手企業では緻密な給与テーブルが適用されることが多く、入社時の技術評価が高くても、同年代の既存社員と同等の等級からスタートする制約を受ける事例が存在する。
これに対して、中堅企業や成長過程にある事業会社では、1人の技術者がシステムや事業に与える影響が大きく、実装力やプロジェクト推進の実績に基づいて報酬が設定される傾向にある。従来の年功型から実力・実績評価型の組織へ移ることで、評価方式そのものが変わり、年収増加の機会が生まれる。
内定時に提示される基本給や一時的な賞与額だけで判断するのではなく、住宅手当などの各種補助や、残業代の支給規定といった福利厚生を含む「事実上の年収」を算定することが重要だ。賞与は企業の業績に連動して変動しやすいため、その企業のシステムがどれだけの収益を生み出しているかという、ビジネスモデルの成長性を総合的に判断する視点が必要になる。
従来アプローチとの設計思想の違いと今後の展望
過去の採用市場では、指示された仕様書に沿って正確にコーディングをこなす実務経験が主な評価対象だった。しかし現代では、AIツールの活用やシステム自動化ツールの浸透によって、定型的な開発業務はテクノロジーに置き換わりつつある。そのため、開発現場においても単なるプログラミング能力だけではなく、上流工程での要件定義、プロジェクトの進行を管理するマネジメント能力、事業部門との折衝といったヒューマンスキルの価値が相対的に向上している。
技術者は、自らの専門スキルに加え、既存システムのボトルネックをどう特定し、どのような技術的アプローチで業務プロセスを改善してきたかという問題解決能力を言語化する必要がある。この「採用するメリット」を企業側に論理的に提示することが不可欠だ。今後は、自らの市場価値を継続的に見直し、キャリアの方向性を自律的に決定する体制を構築することが、長期的な処遇の向上と納得度の高いキャリア構築を実現する土台になる。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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