「Excel」「マクロ」運用の限界
入力エラー頻発の申請業務 KDDIが“改修ゼロ”で誤り率を10分の1にした手法
KDDIは、基地局の保守運用情報の申請で、複雑な入力ルールにまつわる課題を抱えていた。同社は既存システムを改修せずに画面上の操作ガイドを追加することでこの課題を解決した。どのような手法を用いたのか。
2021年度に基地局の現地保守支援システムを使い始めたKDDIは、保守運用情報の申請業務で、入力内容に応じた条件分岐や多様な入力ルールの制御を課題としていた。従来は現場部門が表計算ソフトウェアやマクロを用いて入力内容を確認、補完していたものの、頻繁にルールが変更されるため、システム本体の改修に依存しない改善手法の確立が急務だった。
そこでKDDIは、全国の基地局に関する保守運用情報の申請業務を担う現地保守支援システムに、テックタッチ社が提供するデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)「テックタッチ」を採用した。これによって画面上に操作ガイドや入力チェック機能を直接実装。結果として、対象業務におけるデータ入力誤り率が導入前と比較して約10分の1に、伝票の差戻率が2分の1以下に低減した。大規模なシステム改修を伴わずに、現場の入力負荷と運用課題をどのように解決したのか。
Excelやマクロによる運用補完が抱えていた制約
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現場主導の改修をいかに実現するか
KDDIの基地局の現地保守支援システムは、業務プロセスの管理と可視化を目的として2021年度から運用されている。しかし、同システムを利用した保守運用情報の申請業務では、システムの仕様と業務フローの間にギャップが生じていた。具体的には、入力された情報の内容に連動して後続の入力項目が表示されたり、特定の条件下でのみ入力が許可されたりするといった、高度な条件分岐が求められていた。
必須項目の入力漏れを防ぐためのエラーチェックや、全角文字・半角文字などの入力形式の指定、特定の文字種別の入力制限など、利用者が申請時に確認しなければならない事項も膨大だ。このような複雑な仕様に対し、現場部門はシステムの制御を待たず、業務用の表計算ソフトウェアやマクロを追加で導入し、入力データの事前確認や補足入力をすることで対処していた。
しかし、このアプローチは運用担当者に多大な負荷を強いる。基地局保守の現場では、業務プロセスの見直しに伴う入力ルールの変更が頻繁に発生する。そのたびに既存システムの改修を依頼するのは、開発コストの増大や改修期間の長期化を引き起こすため現実的ではない。利用者の入力精度を確保しつつ、システム改修に頼らずに現場主導で仕様変更に対処できる仕組みの構築が、運用部門にとって構造的な課題となっていた。
システム改修を回避して内製での運用改善を実現するDAP
課題の解決に向けたアプローチとして、KDDIは既存システム本体の内部ロジックやソースコードに手を加えるのではなく、利用者の操作画面に直接ガイドを表示して入力を補助するDAPに着目した。複数のシステム支援ツールを比較検討した結果、テックタッチの採用を決定している。
採用のポイントは、現場のシステム運用を直接支える社内システムインテグレーション(SI)チーム自身が、システムの操作ガイドを容易に作成し、継続的に改善できる機能性を備えていた点だ。プログラミングなしでガイド作成が可能であるため、開発ベンダーへの外部委託や専門的なITスキルに依存しなくてよい。業務プロセスを最も熟知している社内チームが設定作業を完結させられる仕組みは、前述した頻繁なルール変更への即応という要件を満たすものだった。
KDDI社内で、別の部署がテックタッチを先行導入した実績があったことも大きな要因だ。実装プロセスや運用管理などのノウハウが組織内に蓄積されていたことが、全社的な視点から見て導入リスクを抑え、迅速な展開を後押しした。
入力誤り率を10分の1に低減した操作導線の整備と今後の展望
導入後、これまで現場が表計算ソフトウェアとマクロを用いていた手作業での入力案内とデータ形式のチェックは、システムを改修せずにWebブラウザの画面上で自動的に完結するようになった。利用者の入力ステップに応じた的確なツールチップ(案内表示)やエラーメッセージがリアルタイムで表示されることで、利用者が迷うことなく申請手続きを進められる直感的な操作導線が確立された。
定量的効果として、対象の申請業務におけるデータ入力の誤り率は、導入前と比較して約10分の1へと劇的に減少した。データ精度の向上に伴って、後続工程での確認作業が効率化され、不備による伝票の差戻率も2分の1以下に削減されるなど、業務全体の処理プロセスが大幅に改善した。
今回の事例は、単なる入力作業の効率化にとどまらず、運用部門主導による自律的で持続可能な業務改善のサイクルが構築された点がポイントだ。新たな入力ルールが追加された際も、システム改修に伴う部門間の調整業務や費用負担を減らしつつ、運用担当者自身が操作ガイドを即座に修正できる体制が整った。KDDIは今後も利用者の操作ログや利用状況のデータを踏まえて検証し、さらなる業務品質の向上に向けた施策を展開する方針だ。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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