2026年後半に価格高騰?
「AI PCは高い」は終わり? 価格が33%下落、“安値”はいつまで続くのか
市場調査会社Contextによると、欧州市場におけるAIノートPCの価格は前年比約33%下落した。エンドユーザーにとって“手頃な価格”になりつつあるが、この安値は長く続かない可能性もある。
「AI PCはまだ高い」という見方が崩れつつある。市場調査会社Contextが2026年1月8日に発表した調査結果によると、AI(人工知能)機能を搭載するノートPC(以下、AIノートPC)の平均小売価格が下がり、手頃な価格になっている。ただし、この安値は長くは続かないという予測もある。
2026年後半に高騰? 安値はいつまで続くのか
Contextによると、AIノートPCの平均小売価格は、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペインといった欧州市場において、前年比約33%下落した。エンドユーザーの購入意欲が高まる2025年第4四半期において、40TOPS(1秒間に40兆回の処理)以上の処理性能を実現するAIノートPCの平均小売価格は822ユーロに落ち着いた。「小売市場において、AIノートPCは静かに節目を迎えた」と、Contextのシニアリテールアナリストであるジェームズ・ベイツ氏は述べる。
「現在の価格水準であれば、エンドユーザーにとって“誇大広告”とはならない。高性能で将来性があり、次世代OSに更新するタイミングまで十分に使い続けられるPCに対し、適正な価格を支払っているといえる」(ベイツ氏)
PCメーカーは、今後数カ月で「Windows 11」に移行する需要が失われるにつれ、PCを買い替える理由としてAI機能を訴求する圧力にさらされている。
新型コロナウイルス感染症のパンデミック期に実施された“急ぎの投資”の影響によって、十分な処理性能を確保できない、老朽化したデバイスを使い続けているエンドユーザーが相当数存在する。こうした背景に価格低下という要因が加われば、AIノートPCは一段と魅力的なものになり得る。
ただし買い時は長くは続かず、2026年後半には価格が上昇するとContextは警告している。メモリ価格上昇の影響が徐々に表面化し、欧州全体の平均販売価格に反映され始める見通しだ。
「販売業者は『今日の数量』を取るか『明日の利益率』を取るか選択を迫られている」とベイツ氏は指摘する。現在の価格設定を堅持しながら売り上げを伸ばすか、あるいは2026年後半に供給が制限され、利益率が高くなるタイミングを狙って在庫を確保するか、ということだ。「需要を前倒しで喚起しすぎれば、価格が引き締まったときに品不足に陥るリスクがある。一方で慎重になりすぎれば、手頃な価格という追い風が吹いている間に、販売機会を逃してしまう」(ベイツ氏)
Contextは今後、販売業者による「後払い購入」の導入やノートPCの再生品の供給拡大が、市場や在庫にどのような影響を与えるかを注視するとしている。
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