小売業でのクラウドERP導入の最適解

“データ分断”が招く破綻 島村楽器がSAPのクラウドERPで基幹システムを刷新

店舗やECサイトなどの顧客接点が多様化する一方、在庫やデータ、会計システムの分断は接客品質の低下や経営判断の遅れを招く。島村楽器が、分断された基幹業務を統合するクラウドERPを導入した事例を紹介する。

 小売業では、実店舗とEC(電子商取引)サイトをシームレスに連携させるオムニチャネル展開はいまや標準的な戦略だ。しかし、フロントエンドの顧客接点が拡充される一方では、バックエンドのシステム連携が追い付かない。システムごとに在庫や顧客データが孤立する状態を放置すれば、販売機会の損失や接客品質の低下だけではなく、店舗別・エリア別の損益把握が遅れ、経営の意思決定プロセスを遅滞させるリスクがある。

 店舗の他、ECサイト、音楽教室、楽器修理など多様な顧客接点を持つ島村楽器も、そうしたデータの壁に直面していた。これまで店舗での接客を軸に顧客満足度の向上に取り組んできた中で、顧客接点が多様化した状況では、どの接点でも質の高いサービスを提供し続けるため、接客を支える仕組みを根本から見直す必要があった。同社の現行システムには、3つの領域で業務効率や意思決定を阻害する深刻な「分断」が生じていた。

顧客接点の拡充が浮き彫りにした「3つの分断」

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