XenServer Tips
XenServerマスター障害時の対応
XenServerでリソースプールを構築している場合のマスター障害時の対応について解説する。
XenServerマスター障害時の動作
XenServerを利用する場合、リソースプールを構築して、複数のXenServerをグループ化して利用することが多いだろう。リソースプールを作成してiSCSIやFC(Fibre Channel)-SAN、NFSなどの共有ストレージを利用すると、ライブマイグレーション機能であるXenMotionも行えるからだ。
リソースプールを構築した際、グループ化したXenServerの中の1台がマスターの役割を担い、残りがメンバーとなる。XenCenterとの通信や共有ストレージの調整などは、このマスターが担う。
有償版のXenServerでHA構成を組んでいる場合、マスターのXenServerに物理障害が発生して異常終了すると、自動的にマスターが切り替わり、XenCenterも新しいマスターと自動的に通信を再開する。そのため、特別な作業を行わなくてもリソースプールの管理を継続可能だ。
しかし、無償版のXenServerの場合、マスターのXenServerが異常終了すると、XenCenterで管理できなくなる。当然XenMotionも実行できない。
(注)ただし、無償版の場合でも、障害が発生していないメンバーサーバ上で動作している仮想マシンは動作を継続する。
メンバーは、マスターとの通信ができなくなったと感知した段階で、自動で緊急モードに切り替わる。そのため、XenServer上でコマンドを実行して、緊急モードを解除し、新しいマスターを設定する必要がある。
XenServerマスター障害からの復旧作業
手動でXenServerの緊急モードを解除して新しいマスターを設定するには、以下の作業が必要だ。
リソースプールにあるメンバーのXenServerの中で、新しくマスターになるXenServerのローカルコンソールから、マスターになることを宣言するコマンドを実行する。
# xe pool-emergency-transition-to-master
その後、緊急モードで動作しているメンバーホストのプールマスターのアドレスを全てリセットさせるために、以下のコマンドを実行する。
# xe pool-recover-slaves
その後、新しいプールマスターにXenCenterで接続することによって、通常の運用に戻ることができる。もちろん、すぐに以前のマスターが復旧できる状況であれば、これらの作業は必要ない。
補足:HA構成でのハートビートストレージリポジトリの障害
HA構成を組んでいる場合は、プールマスターに障害が発生しても、マスターが自動的に切り替わるのは前述の通りだ。
HAを構築する場合は、ハートビート用にストレージリポジトリとして、356Mバイト以上のiSCSIまたはFC LUNが必要となる(XenServer 5.6 SP2までの制限)。ここには、HAを維持するため、次の2つのボリュームが作成される。
- 4Mバイトのハートビートボリューム:ハートビートに使用される
- 256Mバイトのメタデータボリューム:プールマスターに障害が発生した場合に備えて、プールマスターメタデータが格納される
レアケースではあるが、このハートビート用のストレージリポジトリに障害が発生して通信できなくなってしまった場合、全てのXenServerがXenCenterで管理不能となってしまう。
ハートビート用のストレージリポジトリがすぐに復旧できる場合はよいが、長期間利用できなくなる場合は一度HAの構成を強制的に無効にしなければならない。
この場合は、マスターとなっているXenServerのコンソールで以下のコマンドを実行し、強制的にHAを無効にすることで、通常の管理の状態に復旧することができる。
# xe host-emergency-ha-disable --force
本来、ハートビート用のストレージリポジトリは信頼性が高く、ネットワークも冗長化を考慮して構築されるものだが、万一の際はこのような作業が必要となる。
コマンドの詳細は、『Citrix XenServer 5.6 管理者ガイド』(PDF)も参考にしてほしい。
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