Android Protected Confirmationを解説
Google Pixel 3でも採用? Android 9 Pieの新セキュリティ機能で可能になることは?
「Android 9 Pie」が搭載する「Android Protected Confirmation」というセキュリティ機能は、高リスクの行動を安心して実行できるようにする。
「Android 9 Pie」には「Android Protected Confirmation」という新機能が搭載されている。どのような機能であり、どのような仕組みで機能するのだろうか。
モバイルデバイスで、確実性の高いトランザクション(一連の処理)を実行できるようにすることが、Android Protected Confirmationの目的だ。ソフトウェアベースではなくハードウェアベースの仕組みにより、エンドユーザーに対して意思表示のためのプロンプトを確実に表示し、人の存在と意図を確認する仕組みだ。認証プロセスの信頼性を高めることで、エンドユーザーは多額の資金の移転や医療機器の管理など、リスクの高い行動を実行できるようになる。
併せて読みたいお薦め記事
「Android 9 Pie」のセキュリティ機能
「Android 9 Pie」のビジネス機能
Android Protected Confirmationの仕組み
Android Protected Confirmationでは、ハードウェアレベルでセキュリティを確保した実行環境「Trusted Execution Environment」(TEE)を利用する。
TEEはメインのOSとは別に稼働する専用のメモリとCPUで構成される。デバイスの表示関連のプロセスはTEEが制御している。そのためデバイスがマルウェアに感染したとしても、画面に表示されるプロンプトがマルウェアによって乗っ取られたり、勝手に選択されたりする事態を防止できる。
デバイス開発者はAndroid Protected ConfirmationのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を使って、短いステートメントに同意するかどうかをエンドユーザーに尋ねるプロンプトを表示できる。このステートメントは、エンドユーザーがセンシティブなトランザクションを完了する意思があるかどうか、アプリケーションが確認する助けになる。
エンドユーザーがこのプロンプトを承認すると、プロンプトの文字を含むデータが署名鍵(秘密鍵)によって署名され、トランザクションの詳細と共にサーバへ返送される。この署名鍵はTEEが生成し、プロンプトの表示内容とエンドユーザーが入力した内容を保護する。
サーバでは署名の有効性をチェックして、プロンプトの文字がトランザクションの内容と一致していることを確認する。全て問題ないことを確認できれば、「エンドユーザーが、登録されたデバイスのプロンプトでステートメントを見た上で、承認した」と高い精度で判断し、サーバがトランザクションを完了させる。
Android Protected Confirmationの利用には、特殊なハードウェアが必要になる。Googleは、次世代のSoC(統合型プロセッサ)にTEEとAndroid Protected ConfirmationのAPIを組み込むために、スマートフォン向けSoC大手のQualcommと連携している。
Googleの新しいスマートフォン「Pixel 3」では、Android Protected Confirmationが利用可能になる見込みだ。他のハードウェアベンダーがこの機能を搭載するのかどうかや、いつ搭載するのかは、まだ分からない。
複数の企業が現在、Android Protected Confirmationのユーザー確認機能を活用したソフトウェアを開発している。金融機関のRoyal Bank of Canada、医療ベンチャーのBigfoot Biomedical、多要素認証ベンダーのDuo Securityなどが、その一例だ。
Android Protected Confirmationにより、マルウェアではなく人がトランザクションを実行していることを確認できるようになる。Android Protected Confirmationを活用できるデバイスが普及すれば、間違いなく他にも豊富なアプリケーションが登場するだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
4
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
7
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
8
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
-
9
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
10
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー