「C++」の後を継ぐ「Carbon」【後編】
プログラミング言語「Carbon」はC++の“あの問題”を解決するのか、しないのか
プログラミング言語「Carbon」を開発するGoogleは、Carbonを「『C++』の後継」だと捉えている。CarbonがC++に対して果たす役割について、有識者の寄稿を基に探る。
Googleは、同社が開発する「Carbon」を、「C++」の後継となるプログラミング言語だと位置付けている。Carbonが目指すものについて、ソースコード品質管理ベンダーSonarSourceで開発者を支援するフィル・ナッシュ氏に寄稿してもらった。
CarbonはC++の“あの問題”を解決してくれるのか
併せて読みたいお薦め記事
連載:「C++」の後を継ぐ「Carbon」
Carbonとは何か
「CarbonはC++に存在するメモリの脆弱(ぜいじゃく)性を解消する」と考える人がいる。実際には、Carbonはメモリの安全性を完全に確保するわけではない。ただし幾つかの改善策は提供している。例えば未定義の変数を特定しやすくするといった改善だ。ただしCarbonは、C++との相互運用性を保持することを目指している。そのため原稿執筆時点では、Carbonには少なからずメモリの安全性に関する問題が存在する。
プログラミング言語が動作を定めていない「未定義動作」をプログラムが実行すると、想定外の挙動が起こり得る問題も、完全に取り除けているわけではない。未定義動作はプログラミングの自由度をもたらす点でC++の大きな特徴であり、同時に大きな問題でもある。異なる思想を持つ別のプログラミング言語を使わない限り、未定義動作を完全に取り除くことは難しい。
Carbonは理路整然としたクリーンなソースコードを優先する人にとっては、優れた選択肢だ。だがこれらの問題を考えると、静的解析ツールでソースコードを改善する余地はある。
C++にCarbonが必要な理由
繰り返しになるが、CarbonはC++の代わりにはならない。C++は進化の過程で幾つかの大きな壁にぶつかってきた。これらの壁を乗り越えるには、大半のC++ユーザーを切り捨てることを覚悟した上で、機能改善の優先順位を変えなければならない。
優先順位の大幅な変更を回避する目的で、C++はバージョンを導入したが、これはうまくいかなかった。C++自身の複雑さに負けたのだ。C++はこれからも存在し続け、進化し続け、重要な言語であり続けると考えられる。ただし、その限界は現実に迫っており、避けては通れない。
C++の成功には、Carbonの成功が不可欠だ。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
4
生データを隠してデータ連携 KDDIが4000万人の顧客情報を安全に分析できた理由
-
5
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
6
「0.3秒のスピード顔認証」の入退室管理が社員に好評 事例に学ぶオフィス改革
-
7
エンジニアの生産性はどう測る? マネジメントに不可欠な可視化の実現方法とは
-
8
大阪証券取引所がHiRDBで実現した「世界トップレベルの応答速度」を誇る新売買システム
-
9
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
-
10
「IoT通信環境の構築・運用」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー