「C++」に代わるプログラミング言語として、Googleは「Carbon」を発表した。専門家が指摘する、Carbonの懸念点とは何か。
Googleは、「C++」の後継を目指すプログラミング言語として「Carbon」(Carbon Language)の開発を進めている。Carbonだけではなく、これまで「D」や「Objective-C」といったプログラミング言語によっても、C++の改善が試みられてきた。
Carbonなどの後継言語によるC++の改善が困難な要因は何か。それは
からだと、調査会社Forrester Researchでシニアアナリストを務めるアンドリュー・コーンウォール氏は指摘する。
C++よりもセキュアなメモリ割り当てなどの機能を持つという理由から、コーンウォール氏が推奨するプログラミング言語は「Rust」だ。ただしRustはC++の代わりとしては「理想的ではない」とコーンウォールは説明する。理由として、RustはC++との互換性がないことがある。
問題をさらに複雑にするのは「新しいプログラミング言語の導入が、開発者の不満を招くことだ」とコーンウォール氏は語る。開発者はプログラミング言語のバージョンアップ時に、過去のソースコードを見直してアプリケーションが正しく動作するように書き直すことに「これ以上ないほどの不満」(同氏)を感じやすいという。
通信事業者Mobile TeleSystemsに所属する開発者であり、GoogleのモバイルOS「Android」向けソフトウェアの開発を手掛けるレオニード・イバンキン氏によると、Carbonはまだ実験段階であるため、現時点で企業が採用する可能性は低い。Carbonを大々的に採用する可能性があるのは、プロジェクトに一から着手するスタートアップ(新興企業)だと同氏は考える。
「歴史が示すように、Googleはプロジェクトを立ち上げるだけではなく、終了させることも可能だ」とイバンキン氏は話す。同氏は
などを例に挙げ、「開発者を泥沼に引き入れ、うまくいかなかったGoogleのプロジェクトもある」と指摘する。
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