データ保管に関する悩みは時代とともに変わる。その変化の中で、再び「テープ」が脚光を浴びるようになった。その理由とは。
以前は“死んだ”とまで言われた「テープ」が復活し、再び脚光を浴びている。これには幾つかの理由がある。その理由の一つを紹介する。
初期のランサムウェア(身代金要求型マルウェア)は、標的の組織のデータを暗号化するだけだった。このランサムウェア攻撃から復旧する簡単な方法は、バックアップからデータを復元する方法だ。ランサムウェアの攻撃者は、標的の組織に身代金を払わせる上で、バックアップが障害になることに気付いた。そこで攻撃者は、バックアップの暗号化を試みるようになった。
テープは、ランサムウェア攻撃からバックアップを保護する有効な手段になる可能性がある。バックアップを本番システムのネットワークから隔離する「エアギャップ」を生かした運用がしやすいからだ。
IT担当者はテープにデータを書き込んでから、テープをドライブから取り出し、鍵の付いた部屋など安全な場所で保管できる。ランサムウェア攻撃者は、システムから隔離した保管庫にあるデータを攻撃することはできない。
テープ規格「LTO」(リニアテープオープン)には、WORM(Write Once Read Many:書き込み1回、読み込み複数回)の方式を採用している製品がある。WORMの場合、データをテープに一度書き込めば、そのデータに変更を加えることはできない。つまりランサムウェアは、テープにあるデータを暗号化できないことになる。
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