大容量の動画データを保管する場合、コストや管理方法など幾つかのポイントを軸にして検討するとよい。テープに対して、クラウドストレージにはどのようなメリットがあり、何に注意すべきなのか。
動画をはじめとした大容量のデータを保管する場合、企業はどのようなストレージを使えばいいのか。前編「動画データの保存にはまず『テープ』? ただし陥りがちな失敗も」はテープのメリットとデメリットを紹介した。
テープに並んで候補になるのは、パブリッククラウドをはじめとしたクラウドストレージだ。テープと同様に、クラウドストレージにもメリットとデメリットがあるので、目的や使い方に応じて慎重に検討する必要がある。
クラウドストレージは高い拡張性を備えているので、必要に応じて容量を増やしやすい。「テープはカートリッジの山の中から必要なデータを探し出す必要がある。クラウドストレージでデータを整理しておけばその必要はない」。ストレージソフトウェアベンダーScalityの最高製品責任者(CPO)であるポール・スペシアー氏はそう説明する。
基本的にはクラウドストレージは従量課金を採用しているので、設備投資ではなく運用経費としてコストが発生するのがテープと異なる点だ。ただしここに注意点がある。「クラウドストレージは、データの取り出しやデータへのアクセスに追加料金が発生する場合があり、動画などの大容量データの管理コストが膨らむ可能性がある」とスペシアー氏は語る。そのため総所有コスト(TCO)については慎重に評価しなければならない。
動画データの保存に使えるクラウドストレージとして、「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)や「Azure Blob Storage」の他、「Cloudian HyperStore」や「Wasabi」「Panzura」なども活用できる。
動画データを保管するニーズは今後も拡大すると考えられるため、企業は長期的な計画を立てる必要がある。ITコンサルティング会社Info-Tech Research Groupでインフラチームのディレクターを務めるジョン・アナンド氏は、「動画データのサイズは膨大であるため、必要なストレージ容量は爆発的に増加する」と語る。そのためデータの生成から消去までのライフサイクル管理は、データ管理の中で最大の課題の一つになる。企業は容量増加の傾向を見て見ぬふりをせず、適切なストレージを選択するとともに、適切な管理方法を検討することが欠かせない。
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