Forresterが予測する「これからのB2Bマーケティング」【前編】
B2Bマーケティングで「パーソナライズ」がいまひとつ役に立っていない理由
Forrester Researchのアナリストによると、B2Bマーケティングではパーソナライゼーションへの投資が報われていない。その理由とは何なのか。
マーケティングのパーソナライズに対する投資のうち4分の3は、投資に対して期待されるリターンを生み出さない――。これは調査会社Forrester Researchのアナリスト、ロリー・ウィズド氏と、ウィズド氏の同僚15人が発信した、2022年におけるB2B(企業間取引)マーケティングの動向予測だ。以下のQ&AではB2Bマーケティングについて、さらに詳しく議論している。
なぜ「パーソナライズ」への投資が報われないのか
併せて読みたいお薦め記事
顧客とのつながりが強いブランドを作る
最高の顧客体験を提供する
―― B2Bマーケティングのパーソナライズに対する投資は報われないのではないか、という議論があります。
ウィズド氏 全く報われないと言うつもりはない。有望性に見合った成果が上がっていないということだ。その理由として、今のところパーソナライズできているデータが、非常に基本的なデータであることが考えられる。われわれが主にパーソナライズしているのは、かなり容易にアクセスできるデータにとどまっている。
マーケターが目指すのは、購入に至るまでのプロセスであるカスタマージャーニー全体を通して、見込み客に手を貸し続けることだ。これはエンゲージメント(顧客や見込み客とのつながり)戦略の設計そのものだと言える。
エンゲージメントを強化するには、見込み客が実際にどのようなカスタマージャーニーの途上にあるのかに関して、もっと多くのことを理解する必要がある。例えば、ある見込み客がABC社に所属しているという事実そのものは、その人のカスタマージャーニーについて、それほど多くのことを伝えてはくれない。ある見込み客がXYZ製品に興味があるというだけでは、その人がカスタマージャーニーのどの段階にあるかは分からない。
まずは見込み客が何を達成しようとしているのか、ニーズは何なのかについて、もっと多くのことを理解する必要がある。それらを理解したら、体験すべきコンテンツを用意する、さまざまな段階で抱く疑問に答えるなど、見込み客のニーズに対してやるべきことが分かってくる。
カスタマージャーニーを視覚化したカスタマージャーニーマップの分析は、コンテンツやエンゲージメント戦略を提案するために使われる。ただしB2Bマーケターにはあまり広く採用されていない。
―― カスタマージャーニーマップは、B2C(企業・一般消費者間取引)ではそれほど複雑になりません。企業と顧客の関係が一対一だからです。B2Bでは、購買や販売に関わる人が複数いるので、カスタマージャーニーははるかに複雑になります。
ウィズド氏 2つの理由が問題を一層難しくしている。1つ目は購買シナリオの複雑さだ。一般的な消費財であれば、それを買う人が何を達成しようとしているのかが大体分かる。ソファを購入しようとしているなら、新居に家具を備えようとしていたり、究極の娯楽スペースを設計しようとしていたりする可能性がある。動機の違いはわずかでしかない。B2Bでは企業によって購買の動機が全く異なるので、それぞれのエンゲージメント向上のために個別のコミュニケーション設計が必要になる。
2つ目は1つの企業内に、購買方針が異なる複数の購買チームがあることだ。非常に高度にパーソナライズしたエンゲージメントを求める購買チームもあれば、ただあつれきのない取引を求める購買チームもある。彼らの役割はさまざまだ。それら全てを個別に最適化しようとすれば、カスタマージャーニーははるかに複雑になるに決まっている。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
4
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
「有線LAN環境」に関するアンケート
-
7
データセンター事業者が「脱VMware」をした“例のライセンス問題”じゃない理由
-
8
積水化学工業が「SAP S/4HANA Cloud」の“全グループ導入”に踏み切った訳
-
9
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
10
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
8
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
9
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー