SIEM、SOAR、XDRの違い【後編】
「SIEM」「SOAR」「XDR」は何が違う? 自社に合うツールを選ぶ10ステップ
セキュリティ対策の中核を担う「SIEM」「SOAR」「XDR」は、それぞれの機能や役割が異なる。これらの違いはどこにあり、自社に合うツールはどうすれば見つけることができるのか。
企業にとってセキュリティ対策の強化は、システムの保護だけではなく事業継続の観点からも急務になっている。その対策の中核を担うのが、セキュリティインシデントの検出から対処までを実施する「SIEM」「SOAR」「XDR」といったツールだ。これらは共通点もあるが、それぞれに異なる得意分野を持つ。3つのツールの違いと、これらの中から自社の状況に合うものを適切に選択し、正しく導入するための方法を解説する。
SIEM、SOAR、XDRの主な違い
併せて読みたいお薦め記事
連載:SIEM、SOAR、XDRの違い
セキュリティ体制構築のヒント
SIEM、SOAR、XDRは、いずれもセキュリティインシデントの検出と解決に貢献する。それぞれの役割は異なるが、適切に組み合わせることで相互に補完し合うことが可能だ。
実際の運用では、SIEMとSOARは相互に補完する関係にある。SIEMが収集、分析したイベントデータはインシデント対処の質を高め、SOARがインシデント対処を自動化する際の基礎情報となる。この2つを連携させることによって、セキュリティ侵害に対処するための強固な体制を構築可能だ。
一方のXDRは単体で機能する製品として位置付けられることが一般的で、セキュリティイベントの一元的な管理を支援する。ただし3つのツールを連携させることも可能だ。インシデント対処の自動化では、XDRはSIEMが収集したデータを活用することがある。XDRは社内のエンドポイントだけではなく、遠隔地の拠点にあるシステム、クラウドサービス、Webアプリケーション、ネットワークといった広範な領域で発生する問題に対処できるため、SOC(Security Operations Center)にとって非常に重要な選択肢となる。
近年はどのツールもAI(人工知能)技術によってその有用性を飛躍的に高めており、今後もAI技術がセキュリティ分野をけん引していくことが期待される。各ツールがAI機能を搭載することによって、さらに高度なインシデント管理プロセスの自動化が実現し、セキュリティ部門やSOCの効率と生産性の向上を後押しする。
セキュリティツールを選定するための10のステップ
SIEMとSOARは補完的な関係にあるため、組み合わせて使うことが一般的だ。XDRは単体でも機能するが、3つのツールの機能を組み合わせて使う選択肢もある。どのツールを導入すべきかを選ぶ際は、以下のステップを踏んで検討するとよい。
ステップ1.セキュリティ要件を再定義する
運用中のセキュリティ管理体制やSOCが、常に変化する事業上のニーズや最新の脅威動向に適合しているとは限らない。そのため、まずは現状を分析し、現在の自社に必要なセキュリティ要件を見直すことから始める。
ステップ2.現行のセキュリティシステムを評価する
ここまでで紹介した3つのツールを含め、何らかのセキュリティツールを導入済みの場合、それらが現在および将来のニーズを満たせるかどうかを評価する。
ステップ3.経営層の承認と予算を確保する
セキュリティツールの刷新計画について経営層に説明し、具体的な用例やROI(投資対効果)を提示して承認を得る。
ステップ4.セキュリティ戦略を見直し、更新する
既存のセキュリティ戦略が現状に即しているかどうかを確認する。同時に、セキュリティ担当者に求められるスキルを再定義し、必要であれば拡充計画を立てる。確保できる予算規模を明確にし、戦略全体の実現可能性を判断することも欠かせない。
ステップ5.セキュリティツールを調査する
SIEM、SOAR、XDRなどの導入を検討する際は、性能はもちろん、AI機能の有無、管理画面の操作性、拡張性、既存システムとの連携性にも着目する。3つのツールのうち複数を組み合わせることも視野に入れる。ベンダーの技術力やサポート体制を確認することも重要だ。
ステップ6.プロジェクトチームを編成し、計画を策定する
プロジェクトを円滑に進められるセキュリティ担当者でチームを構成し、ツール導入の各段階について計画を立てる。現行のセキュリティ運用に関するポリシーや手順を精査し、可能であればリスクアセスメント(企業の情報資産に存在するリスクの特定、分析)も実施する。
ステップ7.段階的な導入とテストを実施する
ツールを段階的に導入し、それぞれの段階でテストと検証を実施して問題を修正する。セキュリティ部門とSOCによる受け入れテスト(導入するツールが実運用で問題なく動作するかどうかのテスト)も実施する。
ステップ8.運用体制を整え、関係者に情報を提供する
セキュリティ部門のメンバーを対象にトレーニングを実施し、教材となるドキュメントが実用レベルに整備されているかどうかを確認する。さまざまなインシデントシナリオを試行し、新しいツールの動作を検証する。従業員にはツールの刷新に関する情報を速やかに通知し、経営層には進展状況を定期的に報告する。
ステップ9.保守およびサポート体制を構築する
新ツールが本番稼働したら、初期性能評価をして稼働状況を把握する。必要に応じて、セキュリティに関するポリシーや手順を更新する。
ステップ10.継続的な監視と改善を開始する
定期的なレビューを通じて、導入したツールのパフォーマンスを評価する。発生したインシデントを分析し、プレイブック(インシデント対処に関する手順や要領を整備したチェックリスト)を更新して、セキュリティ運用体制全体を継続的に改善する。
TechTarget.AIとは
TechTarget.AIは、TechTargetジャパンの記事の一部で生成AIを補助的に活用し、米国Informa TechTargetの記事を翻訳・編集して国内向けにお届けします。編集部による内容の確認を徹底しています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
TechTarget.AI
TechTarget.AI編集部は生成AIなどのサービスを利用し、米国TechTargetの記事を翻訳して国内向けにお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
SNS認証や多要素認証も数分で実装、IDaaS基盤でデジタルビジネスはどう変わる? -
製品レビュー
「電子帳簿保存法対応」実践術:タイムスタンプ付与などの要件の手軽な実現方法 -
事例
「大企業のデジタル化」成功事例集【コクヨ、九州電力、ヨネックスなど21社】 -
製品資料
“顧客管理の課題”を簡単に解決する方法とは? -
製品資料
契約管理の“あるある課題”をノーコード開発で解決するためのポイント
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
2
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
Synologyがエンタープライズ向けユニファイドストレージを投入 その実力は
-
5
「Windows派」「Linux派」を分ける決定的な違い
-
6
脱VMwareの最適解 NTTデータと日立製作所が示す国産仮想化基盤
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
継続利用は4割どまり M365 Copilotが「効く業務」と期待外れの境界
-
9
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
10
「VMwareのコスト」に悩んでいるユーザー企業に送る、VMwareを残す・捨てる基準
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー