コンタクトセンターのCX向上を目指し、製品を導入する場合に重要なのが提案依頼書(RFP)の作成だ。なぜRFPが必要なのか。その効果は。
ユーザー企業がコンタクトセンターで利用するIT製品/サービスには、さまざまな選択肢がある。カスタマーエクスペリエンス(CX)向上に関わるリーダーは、ベンダーに対してシステム構築の依頼をする前に、正式な提案依頼書(RFP)を作成する必要がある。
RFPを作成する際、ユーザー企業は必要な質問事項をベンダーに示し、それに対する回答を定量的側面と定性的側面から評価して、自社の要件に最適なサービスを提供するベンダーを絞り込む必要がある。
コンタクトセンター向け製品を扱うベンダーの選択肢は数え切れないほどある。クラウドサービスだけを提供するベンダーもあれば、IaaS(Infrastructure as a Service)で構築したサービスと、オンプレミスインフラで構築したサービスの両方を組み合わせた提案をするベンダーもある。ユニファイドコミュニケーション(UC)製品を提供するベンダー、人工知能(AI)技術を搭載した製品を提供するベンダー、基本的な機能のみを持つ製品を提供するベンダーなどさまざまだ。だからRFPを使って、最適なベンダーを選ぶのに必要な回答や情報を取得する。ベンダーの回答を集めることで、そのベンダーの提案が自社のCXを高め、イノベーションに導いてくれるのかについて、おおよその見通しを立てることができる。
本稿は、コンタクトセンター向け製品のRFP作成手順におけるベストプラクティスを紹介する。
RFP作成はさまざまな役割の人が関与する複雑なプロジェクトになる。関係者全員の時間を有効活用するためにも、コンタクトセンターのCX向上に関わるリーダーはRFPの作成を正式なプロジェクトとして扱い、プロジェクトマネジャーを任命してプロジェクトチームを編成するのが望ましい。プロジェクトマネジャーの主な役割は、
などだ。
コンタクトセンター向け製品のRFP作成プロジェクトは意外と時間がかかる。理由は、意思決定が複雑なことと、その重要性だ。コンタクトセンターの規模によっては、初回の会議から最終意思決定までのプロセスが12週間から6カ月に及ぶこともある。大規模かつ複雑な組織構成のコンタクトセンターを抱える企業が、きめ細かい技術評価を必要としていて、しかもオンプレミスシステムからクラウドサービスに移行する場合は、RFP作成に最長1年かかることもあり得る。
第2回は、RFP作成プロジェクトで踏むべき6つの手順から2つを紹介する。
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