機器の故障は避けられないが、システム全体への影響をいかに最小限に抑えるかがIT担当者の腕の見せ所だ。「故障」を織り込んだ計画のこつとは。
ユーザー企業は、「ハイパースケールクラウド」(大規模データセンターで稼働する広範なクラウドサービス)の事業者から有用なことを学べる。ストレージを切り口にしてソフトウェア定義のインフラを考えた第2回「『大規模クラウド』のストレージ設計も夢ではない IT担当者が盗むべき運用術」に続き、本稿は自動化を目指した設計と故障への備えを紹介する。
データ保存を主な機能としている物理的なストレージを、各種の管理機能を備えるSDS(ソフトウェア定義ストレージ)に置き換えると、タスクの自動化も可能になる。それにより運用費(OPEX:Operating Expenditure)の削減、プロビジョニング(リソースを配備しておくこと)時間の短縮、信頼性の向上を図れる。
SDSはストレージの構成やソフトウェア更新のためのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を公開し、プログラムによる制御を可能にする。ユーザー企業がハイパースケールクラウドのストレージを参考にすべきポイントの一つは、APIを活用した自動化だ。その際はHashiCorpの「Terraform」、Red Hatの「Ansible」などの構成管理ツールを使えば、手動の工程をプログラムによって自動化できる。
サーバやストレージの故障は日常的に起こり得る問題だ。数十万台のサーバを利用するハイパースケールクラウドともなれば、機器の故障は絶えず発生する。企業はシステム停止を防ぐために、故障を見越した設計が重要だ。ストレージのリソースを複数のデータセンターに分散させるといった方法により、システムの可用性を高めることができる。
故障はデータの消失ではなく、システムの応答速度などパフォーマンスの低下につながる恐れもある。ハイパースケールクラウドの事業者は、常にシステムを監視して異常を検知し、影響の範囲を判断していち早く対策を講じている。ユーザーが気付く前に修復を完了させ、故障を「感じさせない」という戦略だ。
第4回は、拡張性の重要性とコモディティ製品の活用によるコスト削減を取り上げる。
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