“専用”と“汎用”のクラウド比較【中編】
「クラウドストレージ」3大選定ポイント AWS、Azure、GCPかニッチクラウドか
「クラウドストレージ」を導入する際、大規模かつ汎用的な「ハイパースケールクラウド」と、小規模で特定の用途に適した「ニッチクラウド」のどちらを選択すべきか。選定のポイントを説明する。
クラウドサービスは大きく2つのカテゴリーに分類できる。特定の目的に役立つ小規模な「ニッチクラウド」と、幅広い用途を対象とした大規模な「ハイパースケールクラウド」だ。Amazon Web Services(AWS)の同名サービスやMicrosoftの「Microsoft Azure」、Googleの「Google Cloud Platform」(GCP)などのハイパースケールクラウドは、価格設定と可用性でニッチクラウドより優れる傾向がある。ニッチクラウドは通常、より多くの機能とカスタマイズ性を提供する。
前編の「『ニッチクラウド』と『ハイパースケールクラウド』の4つの違いとは?」に続く本稿は、クラウドストレージで見た、ニッチクラウドとハイパースケールクラウドのそれぞれの長所と短所を説明する。
クラウド市場には多数のデータストレージサービスがある。企業は、AWSの「Amazon S3」やAzureの「Azure Storage」、GCPの「Google Cloud Storage」などのハイパースケールクラウドベンダーのサービスだけでなく、バックアップに特化したBackblazeやオブジェクトストレージサービスを提供するWasabi Technologiesなどのニッチクラウドベンダーのサービスも選択できる。クラウドストレージを選定する際には、次の3つのポイントを検討するとよい。
選定ポイント1.データセンターの場所
重要な考慮事項の一つは、エンドユーザーのデータが保存される物理的な場所だ。ハイパースケールクラウドベンダーは、世界中の各地域にデータセンター群を持つ。このグローバルな展開は、ニッチクラウドのデータセンターがない特定の地域にデータを保存する必要がある企業には有用だ。さらに高可用性を必要とするワークロード(アプリケーション)の場合、ハイパースケールクラウドベンダーであれば、地理的に離れた複数のデータセンターにデータを複製して格納する耐障害対策を利用できる。
選定ポイント2.料金
ニッチクラウドは、ハイパースケールクラウドよりシンプルかつ安価で見積もりやすい料金体系になる傾向がある。データの出力やAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)リクエストに対して課金しないニッチクラウドも少なくない。ハイパースケールクラウドはGB単位のストレージ料金に加えて、データ転送料金も発生することが一般的だ。データ量が少ない場合、ニッチクラウドとハイパースケールクラウドとの料金差はかなり大きくなる可能性がある。
選定ポイント3.他社サービスとの接続
ストレージを仮想マシン(VM)などの他のクラウドサービスに接続する場合、通常これらのリソースが同じベンダーのサービスである方が簡単だ。複数のクラウドサービスが関係する場合、システム同士の接続とセキュリティの課題はより複雑になる。
例外は、クラウドストレージをオンプレミスのバックアップ製品と併用したいユーザー企業だ。BackblazeやCarboniteなど一部のバックアップ特化型のニッチクラウドベンダーは、クラウドストレージと、オンプレミスのストレージを連携できるようにしている。
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