「ビッグスリー」以外のクラウドサービス4種類を比較【前編】
「AWS」「Azure」「GCP」だけからクラウドサービスを選ぶべきではない理由
クラウドサービスはAWSとAzure、GCPの「ビッグスリー」が提供するサービスだけではない。ビッグスリー以外のサービスの方が、自社のニーズに適している場合がある。その理由とは。
クラウドサービスの分野では、Amazon Web Services(AWS)の同名サービスやMicrosoftの「Microsoft Azure」、Googleの「Google Cloud Platform」(GCP)といった「ビッグスリー」と呼ばれる大規模ベンダーのサービスに話題が集中する。しかしこうした「ビッグスリー」以外のベンダーが提供するクラウドサービスの方が、自社のニーズに適している場合もある。
ビッグスリー以外のベンダーを選ぶときに注意すべき点
併せて読みたいお薦め記事
「ビッグ3」以外のベンダーに注目
小規模ベンダーの戦略
中でもIBMとOracle、DigitalOcean、Alibaba Cloudは、クラウドサービス市場で大きな存在感を示そうとしている。こうしたクラウドベンダーの技術的背景や企業の特色はさまざまだ。各社はビッグスリーとの差異化を図ろうとしている。例えばITベンダーとして長い歴史を持つIBMとOracleは、それぞれの既存のユーザー企業基盤を主なターゲットにしている。一方、比較的新規参入ベンダーといえるDigitalOceanは、開発者向けに効率の良いツールを提供することを重視する。
「比較的小規模なベンダーは、それぞれ独自の専門分野を開拓しようとする傾向にある。同時に、ユーザー企業のニーズに応えるのに最低限必要な機能を用意している」と語るのは、ITコンサルティング会社Information Services Groupで主席アナリストを務めるブレア・ハンリー・フランク氏だ。
企業のIT部門の責任者が、自社で導入するクラウドサービスを選ぶとき「各クラウドベンダー独特のアプローチが自社のニーズに一致しているなら、ビッグスリー以外のベンダーを選ぶ意味があるかもしれない」とフランク氏は話す。例えばOracleのリレーショナルデータベース管理システム「Oracle Database」を幅広く利用している業務なら、こうしたワークロード(アプリケーション)のホスト先としてOracleのクラウドサービス「Oracle Cloud」を検討するメリットはあるだろう。
小規模なクラウドベンダーでは十分な機能やサポートを利用できると思えないなら、こうしたベンダーを選ぶことによって生じるコストが見合わない可能性がある。そう語るのは、クラウドサービスのレビューサイトを運営するG2.comで、リサーチアナリストを務めるザック・ブッシュ氏だ。
ブッシュ氏は「一方でクラウドの考え方は、複数のクラウドサービスを利用するマルチクラウドへと移りつつある」と続ける。クラウドサービスのユーザー企業は、コストを節約したり最善のパフォーマンスを得たりするために「ベンダーが提供するものをそのまま利用する」という考え方から「最善のクラウドサービスを組み合わせて利用する」という考え方に変わってきているという。
自社の全てのワークロードを調査し、それぞれのワークロードにはどのクラウドサービスが最適なのか検討する必要がある。ビッグスリーのAWSとAzure、GCPから選べば、適切なサービスを受けられる可能性はある。ただしそれら以外のクラウドベンダーが、よりワークロードに適した機能やリソースを提供していることもある。
中編と後編は、ビッグスリー以外のベンダーであるIBMとOracle、DigitalOcean、Alibaba Cloudの4社のクラウドサービスを詳しく説明する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[セコムトラストシステムズ株式会社] SCS評価制度で重要性が増す「SASE」 制度の要求事項と機能はどう関係する? -
製品資料
[株式会社kickflow] 3分でわかる「kickflow」 どのようなワークフローを実装できる? -
事例
[株式会社kickflow] 出前館も実践 ワークフロー刷新で得られる効果とは? -
事例
[株式会社kickflow] ワークフロー活用事例:社内システムとのAPI連携で業務効率化&統制強化を実現 -
事例
[株式会社kickflow] 武州製薬が挑んだ「脱・紙とハンコ」 IT部門と現場部門はどう変わった?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「企業におけるAIの運用」に関するアンケート
-
2
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
3
パッチなしで「今すぐサーバを落とせ」 Kiteworks異例警告の波紋
-
4
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
-
7
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
8
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
9
セキュリティの転機 2026年度開始の新評価制度が求める「復旧能力」の実現法は
-
10
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
2
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
3
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
6
月1000枚の紙を削減 9年動けなかった組織が、業務改革のその先に得たもの
-
7
「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略
-
8
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
9
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
10
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー