コールセンタースタッフの研修効果を高めるヒント【第3回】
コールセンタースタッフ研修の「KPI」の決め方
コンタクトセンタースタッフ向けの効果的な研修を実施するためには、KPIの策定や、成長段階に合わせた研修の実施が重要だ。どのように対処すべきかを解説する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)において、コールセンタースタッフ研修の効果を高めるヒントを紹介する本連載。第2回「『KSAC』とは? 研修前に定義したい『コールセンタースタッフの必要条件』」は研修を成功に導くためのヒント10個のうち3つを紹介した。本稿は4~6番目のヒントを紹介する。
ヒント4.研修のKPIを決める
研修の費用対効果(ROI)モデルを策定しようとする場合、ハードウェア面とソフトウェア面それぞれにかかるコストを測るアプローチが必要だ。ROI分析をする前に、研修のKPI(重要成績評価指標)を定める必要がある。KPIの例は以下の通りだ。
- コールセンタースタッフのパフォーマンス測定値
- 研修は、コールセンタースタッフのパフォーマンスに直接関係する。顧客との1回目のコンタクトにおける解決率、平均処理時間、応対クオリティー、顧客満足度、カスタマーエクスペリエンス(CX)の高さなど、パフォーマンスを構成する各要素を企業は意識し、常に評価する。
- 新人コールセンタースタッフが業務に習熟するまでの時間
- コールセンターの管理者は、新人のコールセンタースタッフが最低パフォーマンス基準を満たすまでにどれほどかかっているかを測定する。コールセンターが抱える業務の複雑さにもよるが、業務の習熟までに4~8カ月かかる可能性がある。着任時の新人研修や、先輩の電話応対を聞いて学ぶシャドーイング研修などの質を測り、定型化を検討することも欠かせない。各フェーズにおける研修を定型化しないと、新しいコールセンタースタッフは混乱する。業務の習熟に余計な時間がかかったり、最悪の場合は離職したりする可能性がある。
併せて読みたいお薦め記事
テレワークで研修を実施するときのポイント
ヒント5.従業員の成長フェーズに合わせた研修内容を決める
研修の成功には、研修を受けるコールセンタースタッフの成長フェーズに合わせた備えが必要だ。
着任時の新人研修
着任時の新人研修は、人事部主導の企業方針や文書作成方法に関する研修を含め、一般的にどの企業も実施する。新人研修の実施期間は、一般的に2~8カ月程度だ。各コールセンターの体制や、コールセンタースタッフ業務に習熟までにかかる時間によって期間は変動する。
シャドーイングまたはネスティング研修
シャドーイング研修やネスティング研修は通常、企業が新人研修の一貫として実施する。新しいコールセンタースタッフはスキルを学んだ後、必要に応じて1人または複数人のマネジャーの下で、その業務内容や振る舞いを学ぶ。これがシャドーイング研修だ。ネスティング研修は、新人がトレーナーやマネジャーなどとともに実務環境で仕事を通して業務について学ぶ研修を指す。これらの研修は、最長で2~4週間続く可能性がある。コールセンタースタッフがフロア勤務を始める前に学ぶ場だ。
再教育研修
再教育研修はチームのパフォーマンス不全に気付いたときに実施する研修で、コールセンタースタッフの再教育を焦点に繰り返し実施する。目標は、以前学んだスキルやパフォーマンス要件について、コールセンタースタッフを再訓練することだ。企業が実施した業務プロセス変更をコールセンタースタッフが理解できたかどうかを上司が確認する場でもある。
ヒント6.研修、品質管理、コーチングの取り組みを連携させる
コールセンターの管理者は、研修、品質管理、コーチングの取り組みを連携させるのが望ましい。業務パフォーマンスへのフィードバックを繰り返す中で、この3つは互いに影響するからだ。研修は、コールセンターの管理者がサービス品質を客観的に測るための基準(KPI)を備え、コーチングプロセスでの評価を伴う必要がある。評価基準が具体的でないと、コールセンタースタッフにフラストレーションや混乱が生じる恐れがある。
次回は、残る3つのヒントを紹介する。
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