コンタクトセンター業務は従業員のストレスが大きくなりがちだ。Cisco SystemsはAI技術を用いて、コールセンター業務のストレスを改善する方法の開発を進めている。どのような方法なのか。
コンタクトセンターは、不満やストレスに満ちた職場環境となりがちだ。コンタクトセンターのオペレーターと問い合わせをする顧客双方の体験を改善するために、人工知能(AI)技術は何ができるのか。ネットワーク機器ベンダーCisco Systemsのジェイ・パテル氏(コラボレーションツール「Cisco Webex」のカスタマーエクスペリエンス部門シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャー)が、Informa TechTargetのポッドキャストシリーズ「Targeting AI」で語った内容を紹介する。
Cisco Systemsは「生成AI」(テキストや画像などをAI技術で自動生成するシステム)と「AIエージェント」(業務の流れの中でリアルタイムに意思決定を実施し、タスクを自律的に遂行できるシステム)を活用し、人間の作業を自動化したり精度を高めたりすることを目指している。
「AI技術を使ったコミュニケーションは増えていくと考えている。特に当社が得意とする、顧客や取引先などの社外に向けたコミュニケーションの分野で、AI技術の利点が生かせるとみている。例えばあるエンドユーザーが請求書の支払いを終えていない場合、コールセンターから電話をかけるのが従来型のやり方だ。しかし支払い先のURLを記載したメッセージを送信し、支払いを促す方がより効果的だ。このような事例でAIエージェントが関与できると考えている」(パテル氏)
Cisco Systemsは、OpenAIやMicrosoftといったAIベンダーが提供するLLM(大規模言語モデル)を採用している。フランスのAIスタートアップMistral AIのオープンソースのAIモデル「Mistral」や、自社が開発あるいは買収を通じて獲得した独自のAI技術も使用している。
さまざまなAIモデルを利用する理由について、パテル氏は「ユースケースごとに最適なAIエンジンを用意し、その中に特定のLLMを組み込むためだ」と説明する。
Cisco Systemsが構築した生成AI搭載ツールには、会議や従業員間のコラボレーションを支援するための「Webex AI Assistant」と、オペレーターのストレスを管理するための「Agent Wellness」がある。両ツールを使って、コンタクトセンターで働くオペレーターの精神的な負担を軽減する。
パテル氏によると、顧客はいらいらを募らせた状態で電話をかけてきて、時には怒鳴ることもある。Agent Wellnessを通じて、オペレーターの管理者は困難な状況に直面しているオペレーターを把握して、必要に応じて休憩を取るよう指示することができるという。「コンタクトセンターの職場環境を改善する手段としてAIを活用できると考えている」(パテル氏)
TechTarget.AI編集部は生成AIなどのサービスを利用し、米国Informa TechTargetの記事を翻訳して国内向けにお届けします。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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