ペネトレーションテストは手動か自動か【第1回】
「手動ペネトレーションテスト」でしか調べられない脆弱性とは?
手動ペネトレーションテストには、自動ペネトレーションテストにはない利点がある一方で、幾つかの欠点もある。どのような特徴があるのか。
実際にシステムに侵入して脆弱(ぜいじゃく)性を確認する「ペネトレーションテスト」(侵入テストとも)は、セキュリティ対策の問題点を明らかにできる。ペネトレーションテストの結果を基に、企業はセキュリティ対策の見直しや、能動的な脆弱性の検出に取り組める。
従来の手動ペネトレーションテストに加えて、近年は自動ペネトレーションテストも検討すべき選択肢になっている。自動ペネトレーションテストは手動ペネトレーションテストと何が違うのか。優劣はあるのだろうか。本連載は双方の利点と欠点を探る。
手動ペネトレーションテストでしか発見できない“あの脆弱性”
併せて読みたいお薦め記事
さまざまなペネトレーションテスト手法
手動ペネトレーションテストの利点は、テスト対象のシステムの脆弱性を臨機応変に発見、修正するのに優れていることだ。手動ペネトレーションテストは、データベースの不正な操作を可能にする「SQLインジェクション」の脆弱性やアクセス制御に関する脆弱性など、自動ペネトレーションテストでは見落とす恐れのある脆弱性を検出できる可能性がある。熟練の専門家は手動ペネトレーションテストにより、攻撃を受けたアプリケーションの反応を調査したり、自動ペネトレーションテストでは発見が難しい脆弱性を検出したりする。
ペネトレーションテストの中には、手動でしか実行できないものがある。例えば人の心理的な弱点を狙う「ソーシャルエンジニアリング」の対策を調査する場合は、手動ペネトレーションテストが必要になる。音声を用いるフィッシング(不正に情報を引き出す詐欺行為)「ビッシング」の対策を調査する場合は特にそうだ。
脆弱性を探すときは、手動ペネトレーションテストの方がテスト担当者の創造力を発揮できる。「優秀なペネトレーションテスト担当者は直感を働かせ、結果に基づいて思いも寄らない方向へとテストを進める場合がある」。米TechTargetの調査部門Enterprise Strategy Groupでアナリストを務めるジョン・オルシック氏は、そう説明する。
手動ペネトレーションテストで無視できない「時間」「コスト」
時間がかかることが手動ペネトレーションテストの欠点だ。ペネトレーションテストによっては結果が出るまでに数週間を要することもある。これは必ずしも理想的ではない。重大な脆弱性が存在する場合は特に問題になる。
高いコストが必要になる場合がある点にも注意しなければならない。手動ペネトレーションテストのコストを懸念する企業は、コンプライアンス(法令順守)目的でのみ手動ペネトレーションテストを実施しがちだ。自社でレッドチーム(模擬的な攻撃を実施するチーム)やペネトレーションテストチームを用意できない場合は、必要に応じてベンダーに依頼することになる。そうなればコストはさらに増す。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[サイボウズ株式会社] DXに必要な「Dスキル」「Xスキル」を持った人材を育成するには? -
市場調査・トレンド
[サイボウズ株式会社] データで見る、DXが「順調に進む企業」と「つまずく企業」の違い -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 賛否が割れがちな「Notesからの移行」 新環境への移行を納得してもらうには? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] 農林中金に学ぶ内製開発 処理効率を約2倍に高めAI活用も加速させた方法とは? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] NTTグループのデジタル変革術、17万人が利用する決裁プロセス刷新の全貌
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
2
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
3
サーバ約70台をAWSへ ヤナセが移行前にやった「通信要件の可視化」
-
4
脱VMwareの真実:データセンター大手がNutanixを選んだ「コスト以上の理由」
-
5
MS月例パッチが1000件突破 人手不足の情シスを襲う「月1回メンテ」の崩壊
-
6
多品種小ロットの「手書き・配合ミス」を克服 キャニオンスパイスの食品工場DX
-
7
AIインフラの理想形? 「5層のケーキ」を垂直統合するための近道とは
-
8
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
9
「AI活用」を掲げた年金刷新が炎上 英政府が大手ITアウトソースを切り捨て「内製回帰」した理由
-
10
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
7
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
8
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
9
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー