パスワードは長く複雑にするほど、覚えにくいといった課題がある。パスフレーズを使用することで、こうした従来型パスワードの課題を克服できる可能性がある。どのように作ればいいのか。
攻撃者はさまざまな方法でユーザーのパスワードを窃取し、企業ネットワークに侵入しようとする。パスワードを長く、アルファベットの大文字や小文字、記号、数字などを組み合わせた複雑にすることで、セキュリティを強固にできる。しかし、長く複雑なパスワードはユーザーが記憶しにくいため、結果的にユーザーがパスワードを使いまわしたり推測されやすいパターンを採用したりして、安全性を損ねてしまう可能性がある。
こうした中で注目を集め始めたのが、複数の単語やフレーズ(言い回し)を組み合わせた「パスフレーズ」だ。ただし、やみくもに複数の単語やフレーズを使えばよいわけではない。安全で覚えやすいパスフレーズを作成するためのこつを紹介する。
パスフレーズ作成のベストプラクティスは次の通りだ。
パスフレーズやパスワードの価値は、他人に知られないことにある。有名なフレーズを選べば、推測が容易になり、脆弱(ぜいじゃく)になる。攻撃者は辞書に載っている単語をパスワードの推測に利用する「辞書攻撃」を使用する。楽しみながら独自性の高いパスフレーズを考えよう。
本や映画、よく使われる言い回しから引用しない。例えば「LemonCactusRocketWhisper」(レモン、サボテン、ロケット、ささやき)のように互いに関連性がない4つ以上の単語を選ぶ。
パスワードおよびパスフレーズは長ければ長いほど安全性が増す。最低16文字、理想は20文字以上だ。例えば「DolphinPianoGalaxyBreezeCup」(イルカ、ピアノ、銀河、そよ風、コップ)だ。
必須ではないが、大文字、数字、特殊文字を追加することでより複雑にできる。解読に必要な時間と計算量が増し、ブルートフォース(総当たり)攻撃に対して耐性が高まる。例えば、「LazyPineapple77!Moon」(怠け者パイナップル77!月)だ。ただし、複雑にする欠点として、より覚えにくくなる可能性がある。
イメージやストーリーを伴ったパスフレーズを作成する。より映像的でユニークなイメージが伴うほど、思い出しやすくなる。例えば「RobotDancesOnJellyMountain」(ロボットがゼリーの山の上でダンスする)だ。
連続した数字や文字、あるいは名前、誕生日、ペットの名前など、自分に関連する一般的な単語を使用しない。
その他、強力なパスフレーズの特徴は以下の通りだ。
その他のサンプルは次の通りだ。
パスワードと同様、パスフレーズの管理と保護は欠かせない。組織のセキュリティチームは、以下のベストプラクティスを取り入れるべきだ。
パスフレーズは従来のパスワードに代わる強力な方法だ。強固なセキュリティ対策とユーザーにとっての使いやすさを兼ね備えている。これまで紹介した方法に従うことで、より安全なパスフレーズを作成できるはずだ。
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