安全にメールを使う上で、メールのセキュリティ対策は欠かせない。一方、対策は多岐にわたる。基本のセキュリティ対策を5つ紹介する。
「強力なパスワードを使う」「スパムメールを受信したら送信元をブロックする」といった基本的な対策を徹底しても、メールがセキュリティの弱点となっている状況はどの組織でも変わらない。それはなぜか。本稿はメールセキュリティを強化するための対策を5個紹介する。
定期的に、従業員のセキュリティ意識を高めるための研修を実施する。企業のセキュリティポリシーや、組織を安全に保つための従業員の役割、サイバー攻撃で想定される脅威や被害、被害に遭った場合に取るべき行動について、従業員が学べるようにする。
パスワードに関する考え方は変化している。従来は「}m}{4p#P@R9w」のように大文字や小文字、記号を使った複雑なパスワードを作ることが推奨されたこともあった。しかし従業員がそのパスワードを付せんに書き留めたり、PCの安全ではないファイルに保存したりして、かえって情報漏えいにつながる恐れがある。
米国立標準技術研究所(NIST)によると、パスワードの強度を高めるには、複雑さではなく長さが重要だ。「_kittEnsarEadorablE_」といったパスフレーズ(複数の単語やフレーズをつなげた認証情報)は、覚えやすく推測されにくい。辞書に載っている単語をパスワードの推測に利用する「辞書攻撃」から身を守る際にも有効とされる。
デジタルマーケティング企業Centerfield Media Company傘下でセキュリティに関する情報を提供するSecurity.orgは、エンドユーザーがパスワードの強度を確認できるツールを提供している。筆者がこのツールを試したところ、「_kittEnsarEadorablE_」は解読に2兆年かかると表示された。
従業員が適切なパスワードを作成できるように、パスワードに関する企業ポリシーを策定することも一考だ。
パスワードの使い回しはセキュリティ上のリスクだ。攻撃者があるアカウントの認証情報を入手すると、その認証情報を使用している他のアカウントにも容易にアクセスできる。特に、業務用のアカウントと私用のアカウントで同じ認証情報を使用することは危険だ。
従業員には、強力でユニークなパスワードをアカウントごとに使い分けるように促す。幾つもの認証情報を利用する従業員は、シングルサインオン(SSO)やパスワードマネジャーを使えば負担を軽減できる。
パスワードは90日ごとに変更するのが標準とされていた。しかし、この方法では従業員がストレスを感じ、安全性の低いパスワードに書き換える恐れがある。「Password1」を90日後に「Password2」にするといった具合だ。
NISTは、不正アクセスやデータ漏えいの疑いがある場合を除き、従業員に定期的なパスワードの変更を強制しないよう推奨している。ただし、クレジットカード情報を保護するためのセキュリティ基準「PCI DSS」といった特定の規制を順守する場合、パスワードの頻繁な変更が必要だ。
従業員の本人確認に複数の方法を組み合わせるのがMFAだ。例えば、ユーザー名とパスワードに加えて、ワンタイムパスワードや指紋などの生体認証を併用する。認証プロセスに第二、第三の要素を追加することで、ブルートフォース(総当たり)攻撃やパスワードクラッキング(パスワードを探り当てること)の被害を防ぐことが可能だ。
次回も引き続き、メールセキュリティを向上させるための取り組みを紹介する。
TechTarget.AI編集部は生成AIなどのサービスを利用し、米国Informa TechTargetの記事を翻訳して国内向けにお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
ネットワークの在り方とセキュリティ対策は常に進化している。その進化を企業はキャッチアップできているのか。2025年1月24日~2月19日に行われた調査データを基に、企業の課題や取り組みを考察する。
サイバー攻撃の高度化や、取引先からの要請を受け、中小企業でもセキュリティ対策の強化が必須となっている。しかし、人材不足が原因で、EDRやXDRの運用に不安を感じる企業も多い。こうした現状や解決策を、調査結果から探る。
教育機関を狙うサイバー攻撃が増加傾向にある。教育活動の安全を守るためには、セキュリティ強化が不可欠だが、多くの教育機関でインシデントに対処できる人材が不足している。本資料では、この問題を解決した大手前学園の事例を紹介する。
人材不足が進む中小企業にとって、専門スキルを有する人材が必要なサイバー攻撃対策は悩みの種だ。そこで本資料を参考にしてほしい。ここでは、セキュリティ対策にXDRとMDRを活用することのメリットをマンガで分かりやすく解説する。
数分でデータを人質に 進化するランサムウェアに有効な「第2世代EDR」とは (2025/3/4)
クラウドサービスの脆弱性をどう解消する? 安全な開発環境を構築するヒント (2025/3/4)
「複雑、高額、難しい」を変える中堅・中小向けSASEのメリットを解説 (2025/2/10)
「Box」に移行してもなくならない「お守り仕事」を根本から効率化するには? (2025/1/23)
これからのセキュリティ対策に必要な「防御側の優位性」、AIはどう実現する? (2025/1/22)
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「政府」「メディア」への信頼度は日本が最低 どうしてこうなった?
「信頼」に関する年次消費者意識調査の結果から、日本においても社会的な不満・憤りが大...
「Threads」が広告表示テスト開始 企業アカウント運用のポイントとは?
Metaのテキスト共有アプリ「Threads」で広告表示のテストが開始され、新たな顧客接点とし...