macOSのデフォルト無効の「ファイアウォール」を使うべき理由とは?「macOS」ファイアウォール活用法【前編】

セキュリティ対策のコストはかさみがちだが、クライアントOSのファイアウォール機能を使えば、手軽に防御策を強化できる。「macOS」のファイアウォール機能で何ができるのか。

2024年07月08日 07時00分 公開
[Peter van der WoudeTechTarget]

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 ファイアウォールはシステムを攻撃から守るために欠かせない機能だ。ファイアウォールを単独製品として導入する他、「Windows」や「macOS」といったクライアントOSのファイアウォール機能を使うことも選択肢になる。

 macOSの場合、ファイアウォール機能はデフォルトでは無効になっているので、使うのであれば有効にする必要がある。macOSのファイアウォール機能を使うことで何の利点が見込めるのか。どのような防御ができるのかを確認しておこう。

macOSの「ファイアウォール」を使うべき理由とは

 近年、企業などの組織を狙ったマルウェアが多様化している。クライアントデバイス「Mac」をはじめとしたApple製デバイスを採用している組織も、積極的に攻撃の標的にされるようになった。

 macOSのファイアウォール機能はアプリケーション層で通信をフィルタリングし、マルウェアをはじめとした脅威を特定する。高度な機能を備えたファイアウォール製品と比べれば設定できる項目は限られるが、一般的な組織にとっては十分な防御策ができる機能だと言える。

 テレワークとオフィスへの出勤を組み合わせた「ハイブリッドワーク」を導入する動きが広がっている。従業員が外で仕事をして社外のネットワークを利用する場合、IT部門の監視や管理はそこまで行き届かなくなる。そうした場合にmacOSのファイアウォール機能を有効にすれば、デバイスへの不正なアクセスをブロックする一助になる。それは脅威からデバイスと社内のシステムを守ることにつながる。

 具体的には、macOSのファイアウォール機能を使うことで以下の対策ができる。

  • 外部からデバイスにアクセスしようとする通信をブロックする
  • 特定のアプリケーションが外部からの着信接続を自動的に受け取るようにする
  • 有効な認証局(CA)によって署名されたダウンロードアプリケーションが着信接続を自動的に受け取るようにする
  • ユーザーが指定したアプリケーションの着信接続を許可またはブロックする
  • ポートスキャンといった「ICMP」(インターネット制御メッセージプロトコル)リクエストに応答しないようにする

 後編は、macOSのファイアウォール機能を有効にする方法を紹介する。

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