Amazon.comは北米向け医療サービス「Amazon Care」の提供地域を拡大させ、米国全土で遠隔医療サービスを利用できるようにする。これにより遠隔医療市場の潜在顧客が大きく広がる可能性がある。
Amazon.comは、米国で提供している医療サービス「Amazon Care」の提供地域を全米に拡大する意向を、2022年2月8日(現地時間)に公式ブログで発表した。Amazon Careのサービス内容は、オンライン診療、在宅医療、対面診療を組み合わせたものだ。
2022年末までに米国全域でAmazon Careのオンライン診療が利用可能になる。対面診療の提供可能エリアは米国8都市から28都市以上に拡大する。Amazon Careを利用できるのは、Amazonの従業員か、Amazon Careに加入している企業の従業員。半導体メーカーSilicon Labsやソフトウェア会社TrueBlue、自然食品小売り大手Whole Foods Marketをはじめとする企業がAmazon Careに加入している。
Amazonは2019年9月に、本社所在地であるワシントン州シアトルでAmazon Careのサービス提供を開始。当初のAmazon Careは同社従業員向けのサービスだったが、米国のあらゆる企業が加入できるようになった。対面診療サービスの提供地域はシアトルの他、メリーランド州ボルチモア、マサチューセッツ州ボストン、テキサス州のダラスとオースティン、カリフォルニア州ロサンゼルス、ワシントンD.C.、バージニア州アーリントンなどがある。Amazonの発表によれば、2022年以降には対面診療サービスの提供地域を拡大し、カリフォルニア州サンフランシスコ、フロリダ州マイアミ、イリノイ州シカゴ、ニューヨーク州ニューヨークを含む20都市以上に新規展開する。
調査会社Precedence Researchが2021年11月に発表した予測によると、世界の遠隔医療市場は2030年までに年平均成長率(CAGR)18.8%の成長を遂げ、市場規模は2250億ドルに達する。これだけの成長が見込まれる遠隔医療市場において、Amazon Careのサービス拡大は潜在顧客基盤を大きく広げる可能性がある。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
遠隔医療体制を構築する際は、患者や通常業務への影響を押さえながら進める必要がある。パンデミック下で一斉に遠隔医療体制を構築した2つの医療機関の例を紹介する。
オーストラリアでは処方箋の完全電子化が一般化しているが、制度確立までの道のりは平たんではなかった。完全電子化を阻んだ課題とその解決策とは。
コロナ禍を契機に、湾岸諸国では「デジタルヘルスケア」への移行が加速している。湾岸諸国におけるデジタルヘルスケア産業の重点投資分野とは。デジタルヘルスケア推進の”壁”とその対処法についても紹介する。
医療機関は膨大なデータを扱い、そのデータに基づいて重要な決定を下す場合がある。一方、データの質は低くなりがちだ。それはなぜか。データの品質を改善させるために必要な方策と併せて紹介する。
英国の国民保健サービスでイングランド地域を管轄するNHS Englandが、医療サービス向けの新データ基盤を構築している。この計画に英国市民団体が“待った”をかけたという。なぜなのか。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。