地方都市はさまざまな要因で、十分な医療サービスを提供できない場合がある。地方の高齢者介護施設は大きなハンディキャップを抱えることになる。だからこそ遠隔医療は一つの解決策になる可能性がある。
米国勢調査局によると、地方都市に居住する米国民は全体の約15%を占めるという。これは米国民4600万人以上に相当する。中には複雑な疾患を抱え、医療を施す専門医や医師がほとんどいない場所で医療ケアを求めなければならない人々もいる。
地方都市には、医療サービスの利用が制限される要因が幾つかある。低所得、交通の不便、健康保険の不備などがその例だ。こうした要因は、新卒の医学生を大都市へと向かわせる傾向にもつながっている。遠隔医療は、まさにこの医療サービスの不足状態に対する「処方箋」になり得る。地方の高齢者介護施設は特に、遠隔医療の導入に積極的に取り組んでいる。
遠隔医療技術は当初、Microsoftの「Skype」のようなコミュニケーションツールを使った音声会議やビデオ会議に限られていた。現在の遠隔医療プラットフォームは、インターネットに接続するコネクテッドデバイスを使って、患者の生体情報などのデータを収集できるようになっている。
地方都市の医療機関向けの遠隔医療サービス促進に取り組むメディケア・メディケイドサービスセンター(CMS:Centers for Medicare & Medicaid Services、注1)は遠隔医療の支援策として、ソフトウェアとハードウェアの導入に使える助成金を提供している。つまりCMSは遠隔医療を、患者の転帰を改善し、ケアし切れていない部分に対処するための方法だと見なしている。
※注1 公的医療保障制度であるメディケアおよびメディケイドの運営主体。米国保健福祉省に所属する組織の一つ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
遠隔医療体制を構築する際は、患者や通常業務への影響を押さえながら進める必要がある。パンデミック下で一斉に遠隔医療体制を構築した2つの医療機関の例を紹介する。
オーストラリアでは処方箋の完全電子化が一般化しているが、制度確立までの道のりは平たんではなかった。完全電子化を阻んだ課題とその解決策とは。
コロナ禍を契機に、湾岸諸国では「デジタルヘルスケア」への移行が加速している。湾岸諸国におけるデジタルヘルスケア産業の重点投資分野とは。デジタルヘルスケア推進の”壁”とその対処法についても紹介する。
医療機関は膨大なデータを扱い、そのデータに基づいて重要な決定を下す場合がある。一方、データの質は低くなりがちだ。それはなぜか。データの品質を改善させるために必要な方策と併せて紹介する。
英国の国民保健サービスでイングランド地域を管轄するNHS Englandが、医療サービス向けの新データ基盤を構築している。この計画に英国市民団体が“待った”をかけたという。なぜなのか。
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...