「日本医用画像データベース」がクラウドに移行 AI技術の研究開発を加速NEWS

日本医学放射線学会(JRS)が運用する「日本医用画像データベース」(J-MID)がクラウドに移行し、稼働を開始した。AI技術の活用をはじめとした研究開発の加速が狙いだ。

2023年04月06日 15時00分 公開
[松本一郎TechTargetジャパン]

 公益社団法人日本医学放射線学会(JRS)、順天堂大学、富士フイルムは医用画像を集約して一元管理するデータベース「日本医用画像データベース」(J-MID)向けに、「次世代クラウド管理基盤」を構築したと発表。次世代クラウド管理基盤は2023年4月4日に稼働を開始した。

 JRSは、医用画像を集約して一元管理するデータベースとしてJ-MIDを2018年に稼働させた。画像診断支援AI(人工知能)技術をはじめ、画像診断の精度向上や効率化を支援する技術の研究開発を促進することを目的としている。

4億枚を超える画像の活用促進が不可欠

 順天堂大学をはじめとした複数の共同研究施設において、J-MIDに登録された画像や情報を基に、画像診断の精度向上や効率化を図る技術の研究開発が進んでいる。J-MIDには、CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像法)の4億枚を超える画像が、所見などを含むレポート情報と共に登録されている。

 従来、J-MID用のサーバはオンプレミスに設置されていた。次世代クラウド基盤に移行した背景には、J-MIDの活用を加速させるために、国内のどこからでも利用できる環境を整えようという意図がある。

 次世代クラウド管理基盤は、富士フイルムの「クラウド型医用画像管理基盤」を活用している。J-MIDは次世代クラウド管理基盤を採用することで、新たに以下のツールを搭載した。

  • 3Dアノテーションツール
    • 医用画像をAIモデルに学習させるために必要なデータ加工(アノテーション)を3D(3次元)で実施
  • ユーザーポータル・ダッシュボード
    • データベースに登録された、大量の画像の活用状況を可視化

 J-MIDはこれらの新機能に加えて、国内のどこからでも医用画像の登録や参照、検索を可能にすることで、医用画像を活用した画像診断支援AI技術の研究開発を促進する。

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