Amazon版Clubhouse「Amp」の本命用途は遊びじゃなくて“あの用途”マーケティングチャネルとしての存在感を増す音声SNS

Amazonは北米で音声SNS「Amp」のβ版を提供開始した。「Clubhouse」や「Twitter Spaces」など、音声SNSは企業の新たなマーケティングチャネルとなりつつある。アナリストが注目するAmpの用途は。

2022年04月07日 05時00分 公開
[Mike GleasonTechTarget]

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 Amazon.comはソーシャルオーディオアプリケーション「Amp」(画像)を発表。北米市場で2022年3月に、Appleのスマートフォン「iPhone」向けのβ版を提供開始した(日本での提供時期は未定)。将来的にはAmazonの音声アシスタント「Alexa」と連携できるようにするという。

画像 画像 Amazonの音声SNS「Amp」(出典:Amazonのブログ投稿)《クリックで拡大》

アナリストが期待する「Amp」の“本命用途”

 Ampのユーザーは、自分のスマートフォンでトーク番組や音楽番組を制作・放送でき、ホストとしてリスナーからの電話も受け付けられる。リスナーのAmpユーザーは、クリエーターをフォローしたり、セッション予定をチェックしたり、大手音楽レーベルからのライセンス提供を受けた何百万曲もの楽曲ライブラリを利用したりできる。

 競合となる音声SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、Alpha Explorationの「Clubhouse」、Spotify Technologyの「Spotify Greenroom」、Twitterの「Twitter Spaces」などがある。Ampは一般消費者市場向けのツールだが、「企業が顧客にメッセージを伝える新たな手段として利用することもできる」と専門家は指摘する。例えば企業は、Ampで制作した番組でリスナーと交流し、ポジティブな体験を通じて自社のブランドに好感を持ってもらうといったことが可能になる。

 調査会社Constellation Research創業者のR・レイ・ワン氏は、音声SNSの効果は「新しいファン層を開拓するだけではない」と語る。音声SNSを活用することで、企業は「双方向コミュニケーションの体験を通じてクリエーターとファンがムーブメントを起こしたり、新しいアート作品を立ち上げたりすることができる」とワン氏は説明する。

 Clubhouseをはじめとする音声SNSを企業のマーケティング活動に利用する事例は既に幾つかある。ペットフード「Pedigree」のブランドを展開するMarsや、暗号資産(仮想通貨)取引所のCoinbaseは、Clubhouseに番組を持ったり、講演したりしている。

 調査会社ZK Research創設者のズース・ケラバラ氏によると、Ampはバーチャルイベントにも利用できる。Ampの番組では、参加者以外の人でもセッションの内容を聞いて、司会者と話したければ電話をかけることが可能だ。そうなればセッションの視聴者層は大きく広がる。数分だけ聴いて、そのセッションの内容が好きかどうかを見極めてから参加できるからだ。「参加したいセッションを前もって決めておく必要がなくなる」とケラバラ氏は説明する。

 ケラバラ氏は「Ampは、企業が顧客にリーチするために使っている既存のコミュニケーションツールに取って代わることはなさそうだ」と予想する。むしろAmpは企業コミュニケーションの取り組みの幅を広げ、顧客が企業と交流するための仕組みを増やすことができる。「Amp自体が特別に優れているというわけではないが、人々が望む選択肢が増えるのはいいことだ」(同氏)

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