あらゆるPCで「Windows 11」が動作するとは限らない。システム要件の厳しさから、Windows 11へのアップグレードのために、PCを買い替えなければならない可能性がある。その労力に見合った“対価”はあるのか。
MicrosoftのクライアントOS「Windows 11」はシステム要件の厳しさから、これまでの「Windows」よりもアップグレードが難しいとの声がある。システム要件を満たさないPCの場合は、より新しいPCに買い替えるといった対処が必要だ。
「苦労してまでWindows 11へのアップグレードを進める必要はあるのか」という問いは、Windows搭載PCのユーザー企業にとっては、現実的にはあまり意味がない可能性がある。MicrosoftによるWindows 10のサポートは、2025年10月14日に終了する。Windowsを前提とした社内システムを構築・運用する企業は、基本的にはそれまでの間に、Windows 11のシステム要件を満たせないPCの見直しを進めることになる。
Windows 11へのアップグレードによる最大のメリットは、セキュリティの向上だ。プロセッサや「TPM」(Trusted Platform Module:セキュリティハードウェアの標準規格)といった、Windows 11のハードウェアに関するシステム要件は、より強固なセキュリティ制御の実現につながる。
原稿執筆時点のWindows 11には、こうしたハードウェアのセキュリティ技術を活用した顕著な機能は見当たらない。MicrosoftはWindows 11のバージョンアップを通じて、ハードウェアのセキュリティ技術をより有効活用すると考えられる。
企業におけるWindows 11の導入はまだわずかだ。IT資産管理ベンダーLansweeperが2022年10月に公開したレポートでは、調査対象の組織で稼働する約2700万台以上のWindows搭載PCのうち、Windows 11が動作していたPCは2.61%にとどまった。「Windows XP」(1.27%)を上回ったものの、まだ「Windows 7」(3.38%)を下回っている。
同レポートによると、Lansweeperが調査した3000万台以上のWindows搭載PCのうち、42.76%がプロセッサに関するWindows 11のシステム要件を満たしていなかった。企業は保有するPCを精査し、アップグレードの対象となるPCがどれだけあるのかを判断する必要がある。
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