「Windows 11は低スペックPCお断り」は本当? Windows 10と比べて分かった真実Windows 11アップグレードの基礎知識【中編】

システム要件の厳しさから、スペックが十分ではないPCで「Windows 11」を動作させるのは難しいとの声がある。本当にそうなのか。「Windows 10」のシステム要件と比べると、確かに両者には歴然とした違いがある。

2022年10月09日 10時00分 公開
[Ed TittelTechTarget]

 MicrosoftのクライアントOS「Windows 11」は、これまでの「Windows」と比べてシステム要件が厳しくなったという。具体的に、どのように変化したのか。前バージョンである「Windows 10」のシステム要件と比べると、かなり大きな違いがあることが分かる。

いろいろ欲しがる「Windows 11」、実に“謙虚”な「Windows 10」

 以下の表に示した通り、Windows 10とWindows 11のシステム要件の違いは明らかだ。PC管理者は、計画段階で双方のシステム要件を慎重に比較する必要がある。

 例えばWindows 11のディスプレイに関するシステム要件は、Windows 10よりもはるかに厳しい。ディスプレイが旧式の場合、新しいディスプレイを購入しなければならない可能性がある。

表 Windows 10とWindows 11のシステム要件
OS Windows 10 Windows 11
プロセッサまたはSoC(注1) クロック周波数1GHz以上 クロック周波数1GHz以上、プロセッサコア2コア以上、64bit
TPM(注2) バージョン2.0
システムファームウェア(注3) UEFI準拠
ストレージ 32bit版では16GB以上、64bit版では32GB以上 64GB以上
メモリ 32bit版では1GB以上、64bit版では2GB以上 4GB以上
ビデオカード(注4) DirectXバージョン9以上、WDDMバージョン1.0以上準拠 DirectXバージョン12以上、WDDMバージョン2.0以上準拠
ディスプレイ(注5) 解像度800×600ピクセル以上 対角サイズ9型以上、色深度8bit以上、解像度720p以上
※注1:SoCは、プロセッサなどシステムの構成要素を1つのシリコンチップに集約した製品
※注2:TPM(Trusted Platform Module)は、PC内の他の要素から独立して動作するセキュリティデバイスの規格
※注3:UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、PC起動時にソフトウェアのデジタル署名を確認して検証する「セキュアブート」を可能にする、システムファームウェアの標準規格
※注4:DirectXは、映像・音声処理用のAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)群。WDDM(Windows Display Driver Model)は、ビデオカード用デバイスドライバの規格
※注5:720pは、解像度1280×720ピクセルで、走査(画面表示)方式がプログレッシブ(順次走査)の映像規格

 後編はWindows 11へのアップグレードを進める意義をあらためて検証する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news140.jpg

中国政府がTikTok売却先としてイーロン・マスク氏に白羽の矢? うわさの真相は……
米国で禁止か売却か――。判断が迫られるTikTokに驚きの選択肢が浮上した。売却先の一つ...

news124.jpg

集客装置としての「イカゲーム」(無料eBook)
残酷なシーンが多いことで知られる作品なのに世界のブランドはなぜタイアップしたがるの...

news117.png

2025年の広告・マーケティング予算、「増加」企業の割合は?
コムエクスポジアム・ジャパンが企業のマーケティング活動における予算や主要な関心事を...