「Windows 11をすぐ使いたい人」の心を折る“鬼門”のシステム要件Windows 11アップグレードの基礎知識【前編】

「Windows 11」へと今すぐアップグレードしたくても、手元のPCがシステム要件を満たしていなければアップグレードはできない。特に注意を要するシステム要件とは何か。

2022年10月02日 12時30分 公開
[Ed TittelTechTarget]

 Microsoftが2021年10月に一般公開したクライアントOS「Windows 11」。同社はこれまでの「Windows」よりもWindows 11のシステム要件を厳しくした。そのため注意すべきことが、従来のWindowsアップグレード時とは少し異なる。

Windows 11を使いたいのに使えない? “鬼門”のシステム要件

 比較的最近に製造されたCPUを搭載するPCでも、Windows 11のシステム要件を満たせない可能性がある。セキュリティ関連のシステム要件が厳格化したことも、古いPCでのWindows 11の利用を難しくする。

 Windows 11にアップグレードするためには、PCが「Windows 10」のバージョン2004以降を実行している必要がある。Windows 10よりも古いWindowsを搭載するPCは、Windows 11アップグレード前に、Windows 10へのアップグレードが必要だ。

 企業がWindows 11へのアップグレードを進める上で、問題となりやすいシステム要件が幾つかある。主要な3つのシステム要件を確認しよう。

1.プロセッサ

 PC管理者は、MicrosoftのWebサイトでWindows 11が稼働するIntel、AMD(Advanced Micro Devices)、Qualcommのプロセッサを確認できる。Intelの「Intel Core」シリーズでは第8世代以降のモデル、AMDの「AMD Ryzen 3」シリーズや「AMD Ryzen 5」シリーズでは主要なモデルが該当する。Qualcommのプロセッサは該当するものが限られており、Windows 11で利用可能なのは「Snapdragon」シリーズの8モデル(原稿執筆時点)のみだ。

2.システムファームウェア

 PCが標準規格「UEFI」(Unified Extensible Firmware Interface)に準拠したシステムファームウェアを搭載することが、Windows 11の稼働に必要となる。UEFI準拠のシステムファームウェアは、PC起動時にソフトウェアのデジタル署名を確認して検証する「セキュアブート」を可能にする。ただしWindows 11のシステム要件では、セキュアブートの有効化を必須にしていない。

3.TPM 2.0

 Windows 11を実行するには、PCは標準規格「TPM」(Trusted Platform Module)のバージョン2.0に準拠したセキュリティハードウェアを搭載するか、ソフトウェアでエミュレーションする必要がある。PCの起動プロセスを保護し、パスワードをはじめとする重要な認証情報を保護するためだ。


 中編はWindows 11とWindows 10の主要なシステム要件を比較する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news132.jpg

ハロウィーンの口コミ数はエイプリルフールやバレンタインを超える マーケ視点で押さえておくべきことは?
ホットリンクは、SNSの投稿データから、ハロウィーンに関する口コミを調査した。

news103.jpg

なぜ料理の失敗写真がパッケージに? クノールが展開する「ジレニアル世代」向けキャンペーンの真意
調味料ブランドのKnorr(クノール)は季節限定のホリデーマーケティングキャンペーン「#E...

news160.jpg

業界トップランナーが語る「イベントDX」 リアルもオンラインも、もっと変われる
コロナ禍を経て、イベントの在り方は大きく変わった。データを駆使してイベントの体験価...