「メキシコのEdTech企業が国際HR Techコンテストで優勝」で“あの国”が危機感EdTechでHR Techに挑むVincoed【前編】

HR Techスタートアップの国際コンテストで、メキシコのEdTechベンダーVincoedが優勝した。この事実は、“ある国”のHR Tech関係者に大きな衝撃をもたらすという。

2022年09月30日 08時15分 公開
[Patrick ThibodeauTechTarget]

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 革新的技術を手掛けるHR Tech(人事とITの融合)のスタートアップ(新興企業)を表彰する世界的なコンテストで、Vincoedという企業が優勝した。この年次コンテスト「Better Workplaces Challenge Cup」を主催したSociety for Human Resource Management(SHRM)は、世界30万人以上の人事担当者と経営幹部が所属する人材管理協会だ。2回目となる今回は、150社を超えるスタートアップが応募した。

 優勝したVincoedは、企業向けの教育サービスを運営するEdTech(教育とITの融合)ベンダーだ。メキシコのモンテレイに本社を置いている。

「メキシコのEdTech企業が優勝」で“あの国”が危機感

 VincoedはSHRMの会員から選ばれたHR(人事)担当者による審査を通過し、2022年6月開催の最終審査で優勝した。Vincoedと優勝を争ったのは、以下の3社だ。Vincoedは5万ドルの優勝賞金を獲得した。

  • Automation Workz Institute
    • 現場労働者のやる気とスキルを高めるためのアプリケーションを開発
  • Included Software
    • 「DEI」(ダイバーシティー、エクイティー、インクルージョン:多様性、公平性、包摂性)促進のためのアプリケーションを開発
  • Civic Dinners(Inclusivvという名称で事業展開)
    • 従業員エンゲージメント(組織貢献意欲)向上サービスを開発

 「米国外からの応募の多さに驚いた」。SHRMのHR Techに関する研究所兼ベンチャーキャピタル部門であるSHRMLabsで、マネージングディレクターを務めるギリェルモ・コリア氏はこう語る。

 米国外企業の躍進は、HR Techを手掛ける米国企業にとっての警告だ。「米国企業は、HR Tech業界には競争があり、自らも必ず競争に巻き込まれることを理解する必要がある」とコリア氏は指摘する。

 コリア氏によると、IT関連の新興市場の発展にはパターンがある。まず米国で大きなイノベーションが起こり、他の国がキャッチアップするといった流れだ。HR Techの国際市場では、今後数年でこうした流れが進むとコリア氏は予想する。


 後編は、Vincoedが手掛ける企業向け教育サービスの詳細に迫る。

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