HR Techスタートアップの国際コンテストで、メキシコのEdTechベンダーVincoedが優勝した。この事実は、“ある国”のHR Tech関係者に大きな衝撃をもたらすという。
革新的技術を手掛けるHR Tech(人事とITの融合)のスタートアップ(新興企業)を表彰する世界的なコンテストで、Vincoedという企業が優勝した。この年次コンテスト「Better Workplaces Challenge Cup」を主催したSociety for Human Resource Management(SHRM)は、世界30万人以上の人事担当者と経営幹部が所属する人材管理協会だ。2回目となる今回は、150社を超えるスタートアップが応募した。
優勝したVincoedは、企業向けの教育サービスを運営するEdTech(教育とITの融合)ベンダーだ。メキシコのモンテレイに本社を置いている。
VincoedはSHRMの会員から選ばれたHR(人事)担当者による審査を通過し、2022年6月開催の最終審査で優勝した。Vincoedと優勝を争ったのは、以下の3社だ。Vincoedは5万ドルの優勝賞金を獲得した。
「米国外からの応募の多さに驚いた」。SHRMのHR Techに関する研究所兼ベンチャーキャピタル部門であるSHRMLabsで、マネージングディレクターを務めるギリェルモ・コリア氏はこう語る。
米国外企業の躍進は、HR Techを手掛ける米国企業にとっての警告だ。「米国企業は、HR Tech業界には競争があり、自らも必ず競争に巻き込まれることを理解する必要がある」とコリア氏は指摘する。
コリア氏によると、IT関連の新興市場の発展にはパターンがある。まず米国で大きなイノベーションが起こり、他の国がキャッチアップするといった流れだ。HR Techの国際市場では、今後数年でこうした流れが進むとコリア氏は予想する。
後編は、Vincoedが手掛ける企業向け教育サービスの詳細に迫る。
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