Active Directoryの構造とサービス【後編】
Active Directoryの第一歩「ADドメインサービスとは何か」を理解しよう
企業システムの要である「Active Directory」。その機能の中核を担う「Active Directoryドメインサービス」(AD DS)とは何か。その仕組みと役割を解説する。
社内システムの安全な運用やユーザー管理の基盤として欠かせない存在となっているのが、MicrosoftのID・アクセス管理システム「Active Directory」だ。その機能の中核には「Active Directoryドメインサービス」(AD DS)がある。Active Directoryの全体像を理解するためには、まずこのAD DSの役割を把握することが第一歩となる。
「Active Directoryドメインサービス」とは何か
併せて読みたいお薦め記事
連載:Active Directoryの構造とサービス
Active Directoryを学ぶならこちらもチェック
Active Directoryドメインサービス(AD DS)は、Active Directory内の中核となるサービスだ。ネットワークに接続されたユーザー、サービス、その他のオブジェクト(単一のユーザーやグループ、コンピュータやプリンタなどのハードウェアコンポーネントなど)に関する情報の保存や管理を担い、一元的な認証、アクセス制御、ポリシー管理を提供する。AD DSをホストするサーバはドメインコントローラー(DC)であり、組織は複数の冗長なDCをホストできる。
AD DSはActive Directoryにおいて非常に一般的で不可欠なものであるため、Active Directoryに関する議論では通常AD DSについて言及される。ただし、Active DirectoryはAD DS以外にも以下のような補完的サービスも提供する。
- Active Directory Lightweight Directory Services(AD LDS)
- ドメインコントローラーを必要とせずにディレクトリサービスを提供する軽量版のActive Directory。特定のアプリケーション向けの独立したディレクトリデータ管理に使用される。
- Lightweight Directory Access Protocol(LDAP)
- LDAPはディレクトリサービスとの通信を可能にする標準プロトコルであり、Active Directoryを含むさまざまなディレクトリサービスで利用される。
- Active Directory Certificate Services(AD CS)
- デジタル証明書を管理する「Windows Server」(MicrosoftのサーバOS)の機能。証明書を使用して、IDと秘密鍵をバインドし、安全な通信を確保する。
- Active Directory Federation Services(AD FS)
- シングルサインオン(SSO)を提供し、異なるセキュリティ境界を越えた認証を可能にする。クラウドサービスとの連携に利用されることが多い。
- Active Directory Rights Management Services(AD RMS)
- 文書や電子メールを保護するWindows Serverの機能。クラウドベースの「Azure Information Protection」(AIP)と併用することができる。
ドメイン名は、ネットワーク要素を識別する、対応するIPアドレスにマッッピングされるテキストの指定だ。ドメイン名は人間が読めるテキストであり、IPアドレスはネットワーク上の特定のデバイスを識別するための数値表記を指す。例えば、会社のドメイン名は「mycompany.com」となるのに対し、会社のWebサーバのIPアドレスは「192.0.2.2」となるといった具合だ。ドメインネームシステム(DNS)により、人間が読めるドメイン名は対応するIPアドレスに変換される。
サーバを管理するには、管理者がサーバのFQDN(完全修飾ドメイン名:ドメイン名やホスト名を省略しない名称)を識別する必要がある場合がある。例えば「mail.mycompany.com」のように、これにはサーバ名とドメイン名が含まれる。Windows ServerのFQDNは、次の手順で確認できる。
- 「コントロールパネル」を開く。
- 「システムとセキュリティ」「システム」の順にクリックする。
- 「コンピューター名、ドメインおよびワークグループの設定」セクションの下にある「フル コンピューター名」を参照する。サーバがドメインに参加している場合はFQDNが表示される。
あるいは、Windowsのコマンドプロンプトで「ipconfig /all」コマンドを入力すると、ホスト名、プライマリDNSサフィックスに加え、各ネットワークインタフェースのIPアドレスやサブネットマスクなど、詳細なネットワーク設定が表示される。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国Informa TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[サイボウズ株式会社] DXに必要な「Dスキル」「Xスキル」を持った人材を育成するには? -
市場調査・トレンド
[サイボウズ株式会社] データで見る、DXが「順調に進む企業」と「つまずく企業」の違い -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 賛否が割れがちな「Notesからの移行」 新環境への移行を納得してもらうには? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] 農林中金に学ぶ内製開発 処理効率を約2倍に高めAI活用も加速させた方法とは? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] NTTグループのデジタル変革術、17万人が利用する決裁プロセス刷新の全貌
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
2
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
-
5
GitHubが指摘 AIが書いた「おそらく動くコード」が招くシステム崩壊
-
6
「高すぎるGPU」を捨てAI推論をCPUへ Armが示す電力とコストの現実解
-
7
Anthropicが明かす AIは入力データを「どこまで覚えているのか」
-
8
【漫画付き】"RAG導入失敗3例"と処方箋 「入れても使われない」を終わらせる
-
9
「にゃんこ大戦争」がAWSを脱出した理由 無停止移行に潜む“わな”
-
10
なぜ10億円払って“高額な塩漬け”を作るのか? SAPクラウド移行の闇
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー