若手消費者を獲得するためのマーケティングツールとして活用が広がる「TikTok」。一方でTikTokには、プライバシーを巡ってさまざまな議論がある。その議論の中身とは。
米国の連邦議会議員が、ByteDance傘下のTikTok社が運営するショート動画共有サービス「TikTok」のプライバシー方針を問題視している。一方で企業はTikTokをマーケティングに利用し、若手消費者を獲得することに必死だ。プライバシーを巡る問題を避けつつ、TikTokをマーケティングに活用するにはどうすればいいのか。
2021年9月、TikTokはユーザー数が10億人を超えたことを明らかにした。2020年7月の6億8900万人(調査会社Statista調べ)から約45%増加した形だ。米チューレン大学プロフェッショナルアドバンストスクール(Tulane University School of Professional Advancement)の非常勤教授、デメトリス・ロジャーズ氏によれば、企業の間では広告媒体として積極的にTikTokを利用する動きがある。
TikTok社の親会社ByteDanceが中国に本拠を置いていることもあり、米国ユーザーはTikTok社のデータの取り扱いに厳しい視線を向けている。米国の連邦議会議員が問題視しているのは、TikTok社が米国ユーザーから収集したデータを中国政府に共有することだ。TikTok社は連邦議会の公聴会で数回にわたり、「そうしたデータ共有の事実はない」と述べた。ただし同社の社内ミーティングから流出したとみられる音声情報には、中国にいるByteDanceの従業員が、米国ユーザーのデータに頻繁にアクセスしている様子が残っていたという。
中国政府へのデータ共有について、上院情報委員会の委員は2022年7月、TikTok社を調査するよう、連邦取引委員会(FTC)のリナ・カーン委員長に要請した。下院の監視委員会とエネルギー・商業委員会の共和党議員は、TikTok社の周 受資(Chew Shou Zi)CEOに書簡を送り、「TikTok社とByteDanceの関係」「データの保管や共有の仕方」に関する説明を要求した。
書簡は、TikTok社が米国ユーザーのデータを中国政府に共有していることが事実であれば、「TikTok社はデータ管理とセキュリティ対策について虚偽の説明や証言をしただけではなく、数百万人もの米国市民の安全とプライバシーを危険にさらした」と述べている。法律専門家はTikTok社のプライバシー方針に関する議論を受け、企業はソーシャルメディアのマーケティング活用を検討する場合、プライバシー方針を念入りに確認する必要があると指摘している。
後編は、企業がTikTokをマーケティングに利用する際の注意点を整理する。
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